忍者ブログ
萩原芳樹のブログ
[71] [72] [73] [74] [75] [76] [77] [78] [79] [80] [81]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

箕面から東京までの「東海道自然歩道」を歩いて行くと、決行してしまった三宅。

しかし、数時間後には、またいつもの喫茶店「レ-ブ」に鍋と大量のチキンラ-メンが入ったリュックを背負って、何食わぬ顔が戻って来たのである。

「オマエ、東京まで歩いて行くのやなかったんかい」
と、言うと、
「行こうと思うて箕面から歩き始めて5キロ程の地点に『東海道自然歩道ここまで開通』という看板があって、その先には道がなかったんや」と。

つまり、三宅は「東海道自然歩道」の道路工事が始まったニュ-スを開通したと勘違いしていたのである。

ホントに三宅はバカな奴だ。
おまけに箕面までの往復のタクシ-代を使ってしまったので、喫茶店のコ-ヒ-代も、「誰かにおごってほしい」と、言い出す始末。

あの時、確か私がコ-ヒ-代をおごったように記憶している。
その頃タレント活動を始めた私にとって、三宅という男は癒しを感じさせてくれる大切な友人であったのかも知れないのだ。
PR
レンタカ-事故の前にさかのぼるが、連日パチンコばかりをしてブラブラしていた三宅が、ある日突然「東京まで歩いて行って来るわ」と、言い出した。

箕面から東京まで、「東海道自然歩道」という道が出来たので、歩き旅で東京まで一人で行くと言い出したのである。

私をはじめ、喫茶店の仲間は全員反対をした。
「食事や泊まる所は、どうするねんな」
「寝るのは暖かい時期やし、どこでも寝られる。食事は鍋とチキンラ-メンをリュックに詰め込んで行く」と、三宅。

結局みんなの反対を尻目に、三宅は東京への歩き旅を強行した。
東京から帰りの電車賃(勿論、鈍行列車の電車賃)のみを財布に入れて旅立ったのである。

リュックを背負った三宅は、玉出の喫茶店「レ-ブ」を後にした。
私達は、みんなで見送った。
ところがである。
三宅は、いきなり手を上げて、タクシ-を拾おうとしたのだ。

「何してんねん。歩いて東京まで行くのと違うんかいな」
三宅の言うには、箕面までは、とりあえずタクシ-に乗り、「東海道自然歩道」から歩く計画だと。

「勝手にせぇや」
鍋と大量のチキンラ-メンを詰め込んだ大きなリュックを背負って、三宅はとりあえずタクシ-に乗って行ってしまった。

見送った我々は、三宅が果たしてどこまで行けるのか賭けてみようか等と話を。
しかし・・・この数時間後、ビックリするような結果が待っていたのである。
レンタカ-事故を起こしたまま行方不明になってしまった16歳のバ-テン吉田。
三宅は、自分が事故を起こしたことにして多額の借金を抱えてしまった。
私たち喫茶店の常連仲間が「実家を探して、親に金を払ってもらえ」と言ったので、三宅は吉田の実家を探して訪ねることとなった。

北陸の金沢に実家はあった。
しかし、切なくなる程の貧しい家であったらしい。
消えた吉田が長男で、その下には数え切れない程の弟や妹が狭い家の中を走り回っていた様子。

お父さんが現れて開口一番に、こう言われたらしい。
「大阪から、わざわざどうも。ひょっとしてウチの息子が、とんでもないことをしでかして何か迷惑をおかけしたのじゃないでしょうね?」と。

三宅は今回の事故と蒸発の件を喋ろうと準備していたが、口に出来なかったらしい。
「いえ、金沢にちょっとした用があったものですから、ついでに寄らせてもらっただけです」と、早々に大阪に帰って来てしまった。

「アホか、オマエは! 心を鬼にしても言わんかい!」
私が呆れて怒ると、三宅は、
「そう言うけどな、あないに貧乏で人の良さそうなお父さん見てたら、事故のこと、気の毒で口になんかできるかいな」

結局、そんな訳で三宅は魚市場で働くことになったのである。
この男は、ホントにおバカさんである。
そんな三宅の「おバカさんぶり」を、また紹介します。

レンタカ-事故を起こしたまま行方不明になってしまった16歳のバ-テン吉田。
三宅は、自分が事故を起こしたことにして多額の借金を抱えてしまった。
私たち喫茶店の常連仲間が「実家を探して、親に金を払ってもらえ」と言ったので、三宅は吉田の実家を探して訪ねることとなった。

北陸の金沢に実家はあった。
しかし、切なくなる程の貧しい家であったらしい。
消えた吉田が長男で、その下には数え切れない程の弟や妹が狭い家の中を走り回っていた様子。

お父さんが現れて開口一番に、こう言われたらしい。
「大阪から、わざわざどうも。ひょっとしてウチの息子が、とんでもないことをしでかして何か迷惑をおかけしたのじゃないでしょうね?」と。

三宅は今回の事故と蒸発の件を喋ろうと準備していたが、口に出来なかったらしい。
「いえ、金沢にちょっとした用があったものですから、ついでに寄らせてもらっただけです」と、早々に大阪に帰って来てしまった。

「アホか、オマエは! 心を鬼にしても言わんかい!」
私が呆れて怒ると、三宅は、
「そう言うけどな、あないに貧乏で人の良さそうなお父さん見てたら、事故のこと、気の毒で口になんかできるかいな」

結局、そんな訳で三宅は魚市場で働くことになったのである。
この男は、ホントにおバカさんである。
そんな三宅の「おバカさんぶり」を、また紹介します。

「三宅」という男と知り合ったのは、玉出の喫茶店「レ-ブ」にて。
中学時代に、漫才コンビを組んだことのある「俊市郎」の同級生で自然とつきあいが出来た。

工業高校を卒業して、車の整備士をしていたらしいが、すぐにやめてしまい、連日パチンコに明け暮れては喫茶店で時間潰していた奴だった。
喫茶店に平気でコ-ヒ-一杯で6時間位はいた男。
ウェイトレスが、いい加減に帰ってほしいと水を持って来ると、「ぼ、ぼ、僕はア、ア、アホかな」と、必ず山下清のモノマネをしていた。
そして、「清香ちゃん(そのウェイトレスの名前)のあ、あ、足はふ、ふ、太いな」と、言っては嫌がられていた奴だった。

でも、喫茶店「レ-ブ」にたまっていた連中には、何故か人気があった。
競争心の全くない男で、誰もが気を許してしまえるのが理由だろうか。

そんなある日、喫茶店にたまっている連中で「ドライブに行こうか」と、話が盛り上がった。
勿論、誰も車なんて持ってはいない。
レンタカ-を借りようということになった。
店に入りたての吉田というバ-テンと、三宅が車を借りに行った。

ところがである。
いくら待てども、二人は帰って来ない。
「何をしているんだろうか」と、思っていると、数時間経って、やっと二人が戻って来た。
が、肝心のレンタカ-はなし。
「どうしたの?」と、聞くと、
どうやら、借りてすぐに事故を起こしてしまったらしい。

その事故の内容がこうである。
バ-テンの吉田が「運転させてくれ」と言うので、三宅は助手席に乗っていたらしい。
ところが、レンタカ-屋を出てすぐのところで、赤信号で停車している車に追突してしまったというのだ。

そして、吉田はいきなり「運転代わってくれるか。俺、今免許証持ってないねん」と。
慌てた三宅は、自分が運転していたことにして事故処理をした。

吉田は、さすがに迷惑をかけたという表情で、そのまま家に帰って行った。

ところが、ところがである。
その吉田は翌日に姿をくらまして行方不明に。
三宅は、事故の責任をかぶって(保険にも入ってなかったので)多額の借金を抱えてしまうことになったのである。

喫茶店の常連客は皆、「吉田を捜せ!三宅がそんな事故の借金抱えることはない」と、心配して言った。

三宅も、必死で吉田の身元を調べた。
そこで、とんでもない事実が発覚した。
自称20歳と言ってた吉田は、まだ16歳で無免許だったのである。
「実家を何とか探して、親に責任取ってもらえ」
そう皆に言われた三宅は、吉田の実家を調べて出かけることになった訳ですが・・・。
玉出のアパ-トに、よく遊びに来る友人がいた。
「三宅」という男で、私と同じ年。
いつもたまる喫茶店の常連客の一人だ。

魚市場の「まぐろ屋」でバイトしていて、昼過ぎには仕事が終わるので喫茶店代のない時は、私のアパ-トに来てはゴロゴロしているのである。

そんな彼がある日のこと。手土産をぶら下げて来た。
店から「大トロ」をもらって来たというのである。
見れば、20センチ角の大きなトロの固まり。買えばかなりの値はすると思うシロモノ。
いつも来ているので、たまには・・・と、気を使ってくれたのかもしれない。

「とんぺ-、これをアテにして酒飲もうや」
「わかった。そしたら酒は俺が買うわ」
二人して酒屋に行き、日本酒を一本買った。
 

「けど、あの部屋で二人で飲んでも盛り上がらんなぁ。公園で一杯やるとするか」
私と三宅は、近所の公園に。
大トロの固まりを二つにブツ切りして、左手に大トロのブロックを持ち、右手でコップ酒を。
「旨いなぁ」
最初は、大トロをアテにして酒を飲んで満足していたが、二人とも酒が強くて、なかなか酔いがまわって来ない。

「もっと酔える方法ないかな」
「ブロンコに乗ってみようか。酔いがまわるかも知れん」
二人してブランコに乗った。
ブランコをこぎながら、左手の大トロをかじりながら右手のコップ酒を呷る。
案の定、二人ともあっという間に酔いがまわって来た。
しかし・・・完全に悪酔いであった。
気分が悪くなって、結局アパ-トに戻って酔いをさましたのを覚えている。

全くバカな19歳の思い出です。
さて、この三宅という人物、本当に奇妙な奴で、元々仕事もせずに毎日パチンコばかりをして暮らしていた男。
そんな彼が、突然魚市場で働くようになったのは、ある事件が起こったからでした。
その事件とは・・・。


忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリー
フリーエリア
最新CM
[10/11 バーバリー 公式]
最新TB
プロフィール
HN:
萩原芳樹
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
アクセス解析
アクセス解析
カウンター
忍者アナライズ
忍者アナライズ
カウンター