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萩原芳樹のブログ
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「笑ってる場合ですよ」に、「解散トリオ」と名付けられた3人がいました。
「ミスタ-ポテト」を解散したヒロ(山口君)、「橋達也と笑いの薗」を解散したケン、「トライアングル」というポスト「キャンディ-ズ」だったアイドルグル-プを解散したアキ(藤本アキ)の3人です。

「アキは、お笑いじゃないから別として、ヒロとケンにコンビを組ませたいので面倒みてやってよ」と、ディレクタ-から依頼を。

二人は「コンビお試し期間」として、新宿のストリップ劇場でコントをやっていたので、早速見に行くことに。

ストリップ劇場の楽屋で、ネタの打ち合わせをする訳ですが、ストリップの楽屋って不思議な場所です。
楽屋の前を「お先でございました」と、舞台を終えたストリッパ-の方が通って行く訳ですが、ステ-ジの最後は全裸になっているので、脱いだ洋服で恥ずかしそうに裸体を隠しながら行くのです。

ヒロとケンは、ストリップの合間にコントをする訳ですが、場所柄エッチなネタをする訳ではなく、正統派のコントをしていました。
「ここのお客さんは、普通のサラリ-マンが多いから、正統派コントが通用するのです」と。

事実、「レオナルド熊」さんや「ゆ~とぴあ」さんも、以前ここでコントをやっていたとか。

私が二人と相談して作ったコントが「キャベツとトマト」のコントでした。
別に取り立てて扮装する訳でもなく、Tシャツにジ-パン姿の二人が、
「トマト!」
「何だい、キャベツのお兄ちゃん」
と、普通に会話をする擬人法コントです。

コントの内容は、八百屋さんのトラックが迎えに来ているので、そろそろこの畑とサヨナラしなければいけない。
しかし、トマトは自分は野菜ではなく、果物だと思い込んで渋ってしまうのです。
「嫌だい!だって僕、プリンスメロンちゃんと約束したんだもの。一緒にタカノフル-パ-ラ-に行こうねって」
「バカッ!トマト、よ~く聞け。オマエは果物じゃない!野菜なんだよ」
「ウソだい。だって僕はジュ-スになれるんだから果物の筈だよ」
「バカ!カゴメさんにかかったらな、何でもジュ-スにされてしまうんだよ」
そこから、カゴメの凄さを説得し始めるキャベツ。
「♪カゴメ~や!カゴメ~や!」と、訳のわからないお祈りをしたり。

結局ケンは、それから間もなく「芸能界を辞めて田舎に帰ることにしました」と、電話があり、ヒロは一人、ストリップ劇場に取り残されます。

そして、また暫くするとヒロから連絡があり、「新しいメンバ-を集めたので、一度見に来てくださいよ」と。
行ってみると、新メンバ-は全員で7名もいました。
「このメンバ-で、実は軽演劇をやろうと思ってるんです」と、ヒロ。

そのメンバ-の中には、竹田君は勿論入っていました。
しかし、一人辞め、また一人辞めして、結局残ったのは竹田君一人だけ。
きっとストリップ劇場でコントを続けて行くことに、みんな耐えられなかったのでしょうね。

こうして「コント山口君と竹田君」はコンビとして活動し始めます。
久しぶりに見に行ってみると、二人はサラリ-マンコントをやっていて、ストリップを見に来た筈のお客さんに随分ウケていました。

「これは売れそうやなぁ」と、思っている間もなく、暫くして二人は大ブレイクをして売れて行ったのでした。

その後、私が関西に引っ越して、お二人と会う機会もなくなってしまいましたが、TVで活躍されている姿を拝見すると、あのストリップ劇場の頃が懐かしくなります。
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「ひょうきん族」では、スタジオに客を入れて漫才ライブをするコ-ナ-もありました。
当初は「ヒップアップ」のライブを定番にしていたのですが、その後は「変則ユニット漫才」に移行。

あの「たけし」さんが、奥さんと夫婦漫才をされたのは印象的でした。
(たけしさんの奥さんは「ミキミワ」という松竹芸能の元漫才コンビでした)

私もこの漫才ライブの台本を何本か書かせていただいたのですが、一番印象に残っているのが、「のりお幸雄」の漫才です。

「幸雄」とは、「伊丹幸雄」さんのことです。
「伊丹幸雄」さんといえば、渡辺プロから、大型アイドルとしてデビュ-した人。
デビュ-曲も順調だったのですが、そのすぐ後にデビュ-した「郷ひろみ」さんと、キャラもかぶっていたので失速。
つまり、元アイドルが、のりおさんと漫才をする・・・という斬新な企画だったのです。
漫才台本を書いた私は、久しぶりに伊丹幸雄さんと再会をしました。

実は、私と伊丹幸雄さんとは、何か奇妙な運命で常に出逢って来たのです。

まず最初の出逢いは、お互いのデビュ-が同じ。
といっても、相手は渡辺プロが売り出す大型新人歌手。それに比べて、我々B&Bは所詮漫才コンビ。

でも、「ラジオ大阪」さんで「幸雄とB&B」という特番を作っていただき、ホテル阪神の大宴会場に客を入れて、「お互い頑張りましょう」と、エ-ルの交換をする番組を。
司会は、浜村淳さんでした。

その後、私は上京して司会業をする訳ですが、なんと「天地真理」さんの前唄が伊丹幸雄さんだったのです。
お互い懐かしいやらで、札幌の夜の街で盛り上がったのを記憶しております。

そんなこんなで、今度は私が作家で、幸雄さんは、のりおさんとTVで漫才を。
何年かぶりに逢うたびに、お互いの人生を感じてしまい、言葉にはならない思いでした。

私、実は「同窓会」というのが嫌いです。
たまたま同じ学校に通っていたというだけで、何故久しぶりに会って、うち解けられたりできるのでしょうか?

それよりも「芸能界の同窓会」は、いいものです。
それは「互いに戦友」であるからなのでしょうか・・・。

栄枯盛衰の激しい世界であるからこそ、本気で懐かしんだりしてしまうのです。
「笑ってる場合ですよ」が終了して、その時間帯には「笑っていいとも」が始まりました。

私は「笑っていいとも」のスタッフとしては残れず、温情からか「ひょうきん族」の作家チ-ムに加えていただきました。
「ひょうきん族」がスタ-トして、一年程経っていた頃だと思います。

「タケちゃんマン」「ひょうきんベストテン」の二つがメインコ-ナ-でしたが、私の担当は、それ以外のコ-ナ-。
「ひょうきんプロレス」「ひょうきんニュ-ス」「ひょうきんライブ」「ひょうきん天気予報」「ひょうきん教育講座」等々、番組後半には消えてしまったコ-ナ-ばかりなので、ご存じの方はかなりの「ひょうきんファン」の方だと思います。

「ひょうきん族」では、TVというモノを随分勉強させてもらいました。
常に「ミニコ-ナ-」の企画と、ミニコントの台本を提出して行く訳ですが、「よく書けてますけど、この番組ではいらない」とディレクタ-は口癖のように言っていました。

というのも、「計算された笑いは裏番組の『全員集合』でやっているから」と。
「視聴者が、アッと驚くようなオチや展開を期待しています」とのこと。

ここで私は「ハチャメチャな台本を書く作家」に成長できたように思います。
いわゆる「スラップスティックス」の世界が、私の中に築き始めたのです。

一方で、テレビ東京のベテランディレクタ-からは、「萩原ちゃん、TVって演歌じゃなければダメなんだよね」との教えを。
つまり、今と違って家族団らんで見るTVとは、どこかに「演歌のような人間味のある情が底辺に流れているべき」と。

「ハチャメチャな笑い」と「情の世界」
それからの私の作品には、TVにしろ舞台にしろ、どこかそんな空気が流れていると思います。

さて、そんな私の次回作「女忍のブル-ス」の公演日が決定しました。
9月13日(日)~15日(火)の3日間。京橋花月です。

前回の「お茶子のブル-ス」の15日間公演に比べると、短い期間ですが、稽古は以前同様に約一ヶ月かけて行います。

女忍者として生まれて来た女のせつなさと、忍者アクションは派手な殺陣やイル-ジョンも満載でお送りします。
まだ構想段階ですが、このブログでも前回同様に、「芝居をより楽しめる
ように」と、忍者の知識や、登場人物についてふれて行く予定です。
お楽しみに!
作家活動を始めて、とにかく生活の為には、より多くの仕事をしないとダメなので、私はあらゆる「ツテ」を頼りに動きまくりました。

保富康午というう放送作家の大先生を紹介していただきました。
保富先生は、TV創世記時代から、主に歌番組の構成を手がけておられて、あの「古時計」の作詞者でもある方です。

まず先生について、一緒に歌謡番組の構成をさせていただき、TV台本の書き方を教わりました。
「萩原君は、いろんな社会経験を踏んでいるだけあって、良く気がつくねぇ」と、お褒めの言葉をいただき、その上「演歌番組」の構成に私を推薦してくださいました。

テレビ東京のプロデュ-サ-を紹介してもらって、「作家として、やっと一本立ちできる」と、意気込んでいたのですが・・・。

「明日の朝までに、30曲分のナレ-ションを書いて来てほしい」と。
演歌のイントロで流れるナレ-ションなのですが、私は勿論書いた経験もなし。一曲でも一晩悩むと思われるのに、いきなり30曲です。

「ハイ、承知しました!」と、私は明るく答えて帰宅したのですが、無茶な注文を引き受けたことに後悔を。
一口に「演歌のナレ-ション」といっても、秒数に逢わせたコメントを作らなければならないし、イントロのセリ上がり部分にピッタリはまる言葉が必要だったりするのです。

まだ初心者の私は、無我夢中で徹夜をして30曲のナレ-ションを仕上げました。
翌日、テレビ東京に行くと、「全然ダメじゃないか!」と、プロデュ-サ-から、お叱りを。

「すみません。すぐ書き直しますから」と、私が言うと、
「書き直さなくていい。オマエ、ペンと紙を出せ」と、プロデュ-サ-。
「今から言うコメントを書いて、台本の冒頭に添えるように」と。

私は何のことだかわからないまま、言われるままにメモを。
「私は未熟な作家で、こんなナレ-ションしか書けませんでした。出演者の皆様、どうかお許しください」

とんでもない話です。詫び状を台本の表に添えろと言われたのですから。

結局ディレクタ-に相談したところ、詫び状はまずナシにしてもらって、ナレ-ションの直しも、ディレクタ-のアドバイスで何とかなりました。

そのプロデュ-サ-は、私を怒りながらも、次から次へと、新番組を担当させてもらい、私はテレビ東京の歌謡番組を3本も、やらせてもらえるようになったのです。
さて、「日活ロマンポルノ」の私のデビュ-作品についてお話します。

私と組んだ監督は、「山本晋也」監督の一番弟子で、監督デビュ-作品でもありました。

日活映画は、まず企画段階で、「企画部」の方からテ-マを告げられ、そのテ-マに添って脚本を書き、映画が作られることになります。

この企画打ち合わせというのが随分と恥ずかしいモノで、後に「山本晋也」監督と私が組んだ時、乃木坂のオシャレなカフェで、
「萩原君、今回は難しいテ-マだから、しっかり書いてくれよ。テ-マは『ダッチワイフ』だ!」と、大きな声で言われたのです。
周囲の客は、何の会話をしているんだろう・・・と、怪しげに注目されたこともありました。

さて、デビュ-作のテ-マは「保険」でした。
生命保険の勧誘の為に、男に肌を許す女・・・という話を書いてほしいと。

乃木坂の「日活」を後にすると、監督が、
「バカバカしい。あんな企画部の言うことなんか無視してくださいよ」と、私を横浜に連れて行ったのです。

その監督は自分がメガホンを手にした時、撮影場所にしようと以前から考えていた横浜の裏通りへ。
そこは以前、東映のハ-ドボイルド映画で撮影された場所とか。

監督と二人で、その辺りをブラついていると、ハ-ドボイルドの匂いがして来るのです。
「この川に殺された女が浮かんだりして・・・」とか、二人で思いつくままに、現場を見て湧いて来たイメ-ジを語り合いました。

そして私の書いた脚本は、「日活ロマンポルノ」とは、ほど遠い「ハ-ドボイルド映画」
その脚本を持って「日活」に行ったところ、ビリビリに破られてしまいました。

でも、監督から電話があって、「基本的に、そのままの脚本で進めてください。僕は大変気に入ってるんです」と。

そして、完成した映画の試写を見て、またまた企画部の人は大激怒。
「裸がほとんど登場しないじゃないの!こんな映画ダメ!」と。

結局仕上がった作品に、裸のシ-ンを追撮して差し込み、予定通り封切りとなりました。

「日活ロマンポルノ」は裸が絶対条件なのに、監督も私も無視して、ついつい自分達のやりたい映画を作ろうとしてしまったのです。
「笑ってる場合ですよ」のブレ-ンに採用されて、やっとチャンスが巡って来ました。

メインの構成作家の方が、海外ロケでお休みになり、代わって私がコントを書くことに。

生放送でコントをするので、極力旬の話題を。という訳で、前日の夕刊から記事を拾って前夜にコントを書き上げ、翌朝稽古をして生本番という段取り。

コントの題材が決まり、家に帰って書こうとすると、
「萩原ちゃん、どこかで食事しようか」と、ディレクタ-。
「早くコントを書かなければ・・・」と、あせる気持ちを抑えて一緒に食事を。

すると今度は「一軒だけ飲みに行こうよ」と。
私は、お断りしようなかと思ったのですが、
「昨夜あんなに時間があったのに、こんなコントしか書けなかったの?」
と、言われでもしたら大変と思い、お酒も付き合いました。

そして、はしご酒が続いて、「では明日の朝、宜しく」と、ディレクタ-と別れたのが、夜中の3時。
帰宅したのが4時近くで、深酒のせいでフラフラになっていました。

「ヤバい!まず一時間程寝て、酒を抜こう」と。
5時に起きて、さあそれからコントを書くことに。

何とか書き上げて、朝の9時にアルタスタジオまで原稿を持っていきました。
そして、リハ-サルを終えて、本番の生放送。

これがなんと大爆笑となりました。
コントの内容は、「一家団欒で食事をしていたら、家族が実はみんな妖怪だった」という実に不条理なコントです。

やはり、酒が残っていたから、そんなとんでもないコントになってしまったのでしょうか。
でも結果オ-ライです。

それからというもの、番組で今度は採用予定で、どんどんコントを書かせていただくことになりました。
でも、もう二度と深酒してから執筆活動することだけは封印を。


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