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萩原芳樹のブログ
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今日、身内に不幸があって、姫路に帰っていた。
帰りの電車の中から、ステ-ションデパ-トが凄い音と共に破壊されて行くのが見えた。

姫路駅も新しくなるらしく、古いステ-ションデパ-トは壊されてしまう訳だ。

私は、姫路のステ-ションデパ-ト(通称、駅デパ-ト)が大好きだった。
駅を降り立つと、何ともやぼったくセンスの悪いショッピングモ-ルであり、いかにも姫路を象徴しているかのようであった。

駅デパ-トの地下には、明石焼きの店があり、みんなソ-スをかけた上にダシに入れて食べていたものだった。

小学3年の時、初めてカツアゲされたのも、このデパ-トだった。
友達とプラモデル屋で物色していたところ、突然背後からグッと服を掴まれて、
「声を出すなよ!黙って歩け!」
と、掴まれた背中を押される。

屋上まで、私と友達の二人は連れて行かれた。
そこには、小学高学年や中学生も混じっていて、十人ほどの不良に取り囲まれた。

「持ってる金、全部出せ!」
私は僅かな所持金を全て出すことにした。
が、友達は僅か20円を出しただけ。
「オマエ!もっと持ってるやろが!」
と、凄まれて、ポケットから全部チェックされたが、結局お金は出て来なかったので、私達はそれで解放された。

「五百円札、確か持ってたのと違うの?」
私が、その友達に問いかけると、
「うん。汗拭いてるふりしてな、帽子の中に五百円札を隠したんや」
何ともマジシャン並の技で、友達は五百円札を守ったのである。

その時、屋上に人影はほとんどなかった。
人影のない駅デパ-トの屋上。
思えば実に味わい深い昭和なデパ-トではないか。

そんな駅デパ-トが壊され、どこの町にもある近代的な駅に生まれ変わろうとしている。
味けなさ過ぎる・・・。

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