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萩原芳樹のブログ
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さて、ディレクタ-と私の二人は、撮影班やリポ-タ-よりも先乗りをしてジャマイカに到着。

ワシントンDCでトランジットをして、「エア-ジャマイカ」なる飛行機に乗っての旅です。
機内の客はおろか、スチュワ-デスも全てが黒人。
ディレクタ-は、この時点でビビッてしまい、小さくなっていました。

ジャマイカは、元々奴隷としてアフリカから連れて来られた人達が生き残って来た国。
全てが黒人文化なのです。

まずはジャマイカ第二の町「モンデコベイ」に到着すると、ジャマイカの政府観光局の職員の女性が待ち構えてくれていました。
我々は、映画「007」の撮影でも使用されたという超豪華なホテルに一泊して、翌日に首都キングストンに向かいます。

10人乗りの小型飛行機でキングストンへ。
上空から見る景色は何だか不思議な光景でした。
人が住んでいる家と思えないような貧しいバラックばかりが見えて来たのです。
この時、私はまだジャマイカの歴史や現実を全く知らない状態でした。
「何故、みんな貧しい暮らしを人々がしているのか・・・」
やがてその訳が理解できて来るのです。

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さて、タヒチに続いては「ジャマイカ」についての話です。

そもそも「カリブ海」は、ずっと私の憧れの地で是非行ってみたいと思っていました。
「カリブ」のどこかに、何かテレビの企画になる場所はないかなぁ・・・と、探していたところ、缶コ-ヒ-のUCCが、ジャマイカにプランテ-ションを持っていることを知り、早速電話を。

ジャマイカの首都「キングストン」の裏には、「ブル-マウンテン」という山があり、その山で採れているコ-ヒ-豆が、ブル-マウンテンコ-ヒ-なのです。

電話で聞けば、そのブル-マウンテンのコ-ヒ-園には、日本人が一人で勤務していて、しかも新婚さんだとか。
何やら面白そうな匂いがして来ました。

ABCの番組会議にかけて、私は念願のジャマイカへ行けることになったのです。
でも、さすがにジャマイカまで行くとなれば、「二本撮りをして来てほしい」ということになり、一つは「ブル-マウンテンのコ-ヒ-園」そして、もう一つは「レゲエのル-ツを探る」という内容でした。

全く別の企画のようですが、実は行ってみると、この二つがリンクしてるのには驚きました。

タヒチが地球上で一番呑気な場所ならば、ジャマイカは「悲しみから立ち上がるエネルギ-」の島。
そんなジャマイカについて、ゆっくりとお話することにしましょう。
タカロア島からの帰りは、週に一便という「ツアモツ諸島周回飛行機」に乗った。

帰りの飛行機は、黒真珠養殖場の経営者であるフランス人が一緒だった。
機内では、ワイワイガヤガヤと、とにかく賑やか。
みんなデカい体のタヒチアン達が、大声で会話をしている。

眼下を見下ろすと、とても美しい島が見えて来た。
「あの島は、何という島ですか?」
経営者のフランス人に聞いてみた。
その島こそ、「アヘ島」という島であることを知った。

「アヘ島?」
私が凄い興味深そうにしていたのをどう思ったのか、フランスの経営者は、すぐ機長室に入ってしまうではないか。

そして、すぐのことだった。飛行機は低空飛行を始め、「アヘ島」の上空をグルグルと周り始めた。

「何かエンジントラブルでもあったのか?」
突然の低空飛行に、私や撮影班はビビッたが、そうでなかったらしい。

そのフランス人が、ニコニコしながら機長室から出て来た。
どうやら私が「アヘ島」という名に興味を示したので、撮影できるようにと、機長室へ頼みに行っていたらしいのである。

「そんな・・・勝手に航路を変更して関係ない島の周囲を低空飛行するなんて・・・」
驚いた。
日本国内便で、そんなことをやろうものなら大ニュ-スになってしまう。

機内に乗り合わせたタヒチアン達の様子をうかがってみた。
彼等は、何もなかったように平然とダベり続けていた。
本当に、タヒチアンは脳天気な奴等ばかりである。

こんなことがキッカケになったのか、その頃から私の書くコントやコメディには、「ボケたら、ボケッ放し。ツッコミを入れないでかぶせまくって
ボケる」というアホアホパタ-ンが随所に見られるようになった。

気楽なタヒチアン達は、人生の豊かさと楽しみ方を教えてくれたような気がする。
かの「ゴ-ギャン」も、なるほど愛してやまなかった訳だ。


暫く間を置いてしまいましたが、「タカロア島」の続きをお話します。

我々がお世話になっている民家で、深夜みんな寝静まる時刻のことでした。
表の方から音楽が聞こえ、人の話し声が聞こえて来ます。

「高原君、もう寝た?」
私は寝かかったリポ-タ-の高原君(作曲家の高原兄)に、そっと声をかけました。
「確かに先程から気にはなっていましたけど、何が行われているのか怖いから放っておきましょうよ」
高原君は、反対でしたが、私は興味津々で、
「ちょっと行って見て来ようよ」と。

二人して、そっとその現場に近づくと・・・。
島の若者達が10人程集まっている様子。
この島には、ホテルもなく、店すらもない。
そんな環境の中で、深夜に若者が集まっている理由は何なのか・・・。

我々は、どんどん近づいて行きました。
すると、若者達は我々の存在に気付き、全員恐ろしい形相で我々を見るではありませんか。
「まずいところを見つかってしまった」
全員の顔にそう書いてありました。

「何をしてるのか・・・」
と、様子を見たのですが、彼等の集まった真ん中にはラジカセが一台あり、そこから音楽が流れている・・・それだけでした。

「今、世界的に流行している曲をみんなで聴きたい」
ただそれだけで集まっているだけだったのです。

「悪いところを邪魔してゴメンね」
そんなボディランゲ-ジで、我々はすぐその場を去りましたが、すぐ後に島の大人が来て、
「オマエ達、こんな深夜に集まって何をしてるんだ!」
と、怒られていました。

とにかくこの島の若者は、時代の毒された環境に汚染されていない・・・このことはよく理解できました。
我々がお世話になっていた黒真珠養殖場の娘さん。
フランスとタヒチの混血でエキゾチックな美貌の少女なのですが、私達が帰る最後の日、
「私がさばいた豚です」
と、ニコニコ笑顔で自分で殺した豚料理をご馳走してくれました。
「こんな美少女が、笑顔で豚をさばいたか」
嬉しいやら、呆れるやらです。

それから、我々が仕込んで島人を集めてパ-ティを開いた夜のことでした。
一人の島の少女が私に近づいて来て、
「どこに宿泊しているの?行ってもいい?」
と、聞いてきたのです。
「ロケ隊みんな一緒だからダメ」
と、私が言うと、その少女はつまらなさそうな顔に。
(全てボディランゲ-ジ中心と、カタコトの英会話なので間違っているかも知れませんが)

とにかく若者の価値観が日本と違いすぎるのには驚きました。

「タカロア島」の話、もう少し続けます。
今日は、大阪ミナミを中心に多店舗展開されている「いちびり庵」さんの新商品開発会議に参加させていただいた。

驚いたのは、若い人達がどんどん活発に意見を述べることであった。
購買層に近い若い人の意見が大切であることは当然のこと。
でも、何故そんな普通であるがごとき状況が新鮮に感じられたのだろうか・・・。

おそらく私が会議と称しての日頃TV番組の構成会議では、若い人達の意見が封じこまれていることに慣れすぎているせいかもしれない。

それにしても、「いちびり庵」の女性スタッフの仕事への熱気は素晴らしかった。
今の腐りきった日本の若い女性(失礼)の中にも、こんな魅力的な人達がいるのだなぁと、感心させられた。
そんな風に若い人の意見を取り入れる環境を作られている社長の偉大さに、敬服してしまった訳でもあるが。

さてさて、何故私がそんな会議に参加しているかというと、実は何を隠そう、私は近々密かに爆発的人気の大阪みやげを作ろうと策略してる訳であります。
それはどんなものなのか・・・ウフフ・・・お楽しみに!
先程、「第45回上方漫才大賞」の大賞受賞コンビの「上方漫才大賞への道」という再現物語を脱稿したところだ。

誰が受賞したのかは、まだシ-クレットだが、このコンビの苦悩の日々はドラマチックであるなぁと改めて書きながら感動してしまった。

放送は4月3日(土)13:00~14:25。
TVは関西テレビで、ラジオではラジオ大阪で、どちらも生放送です。


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