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萩原芳樹のブログ
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暫く間を置いてしまいましたが、「タカロア島」の続きをお話します。

我々がお世話になっている民家で、深夜みんな寝静まる時刻のことでした。
表の方から音楽が聞こえ、人の話し声が聞こえて来ます。

「高原君、もう寝た?」
私は寝かかったリポ-タ-の高原君(作曲家の高原兄)に、そっと声をかけました。
「確かに先程から気にはなっていましたけど、何が行われているのか怖いから放っておきましょうよ」
高原君は、反対でしたが、私は興味津々で、
「ちょっと行って見て来ようよ」と。

二人して、そっとその現場に近づくと・・・。
島の若者達が10人程集まっている様子。
この島には、ホテルもなく、店すらもない。
そんな環境の中で、深夜に若者が集まっている理由は何なのか・・・。

我々は、どんどん近づいて行きました。
すると、若者達は我々の存在に気付き、全員恐ろしい形相で我々を見るではありませんか。
「まずいところを見つかってしまった」
全員の顔にそう書いてありました。

「何をしてるのか・・・」
と、様子を見たのですが、彼等の集まった真ん中にはラジカセが一台あり、そこから音楽が流れている・・・それだけでした。

「今、世界的に流行している曲をみんなで聴きたい」
ただそれだけで集まっているだけだったのです。

「悪いところを邪魔してゴメンね」
そんなボディランゲ-ジで、我々はすぐその場を去りましたが、すぐ後に島の大人が来て、
「オマエ達、こんな深夜に集まって何をしてるんだ!」
と、怒られていました。

とにかくこの島の若者は、時代の毒された環境に汚染されていない・・・このことはよく理解できました。
我々がお世話になっていた黒真珠養殖場の娘さん。
フランスとタヒチの混血でエキゾチックな美貌の少女なのですが、私達が帰る最後の日、
「私がさばいた豚です」
と、ニコニコ笑顔で自分で殺した豚料理をご馳走してくれました。
「こんな美少女が、笑顔で豚をさばいたか」
嬉しいやら、呆れるやらです。

それから、我々が仕込んで島人を集めてパ-ティを開いた夜のことでした。
一人の島の少女が私に近づいて来て、
「どこに宿泊しているの?行ってもいい?」
と、聞いてきたのです。
「ロケ隊みんな一緒だからダメ」
と、私が言うと、その少女はつまらなさそうな顔に。
(全てボディランゲ-ジ中心と、カタコトの英会話なので間違っているかも知れませんが)

とにかく若者の価値観が日本と違いすぎるのには驚きました。

「タカロア島」の話、もう少し続けます。
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