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萩原芳樹のブログ
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「ヤングタウン」と「ヤングお-お-」の前説に明け暮れていた19歳の頃。
親に学費を出してもらっている大学にも通わず、昼間はパチンコをしたり、喫茶店でだべったりの日々。
ただ、毎日のネタ作りに関しては強迫されているかのように、作らねばなりませんでした。

深夜、ネタ作りから自分を解放して、26号線の交差点に出ている屋台のうどん屋によく通ったものです。
(鶴橋の二畳の部屋でチキンラ-メンをすすっていたのと比べると贅沢な夜食でした)
屋台のうどん屋の兄ちゃんは、まだ20歳そこそこ。四国の松山から大阪に出て来たばかりらしいです。

うどんを食べながら、出来たての新ネタを、早速試したりしたものでした。
「とんぺ-ちゃん、頑張りや」(その頃の芸名は『ダッシュとんぺ-』)
うどん屋の兄ちゃんは必ず励ましてくれました。

帰り道、夜道を歩きながらもネタの稽古。ブツブツ言いながらアパ-トに向かいます。
その時でした。向かいから来たオッサンが突然声をかけて来たのでした。
「兄ちゃん、海外旅行に行かへんか?無料で行かせたるで」と。

私は、そのオッサンが何者なのか知っていました。
深夜になると26号線に現れて、夜遊びをしている若者に、「無料で海外旅行を斡旋している人物」なのです。

「オッチャン、せっかくやけど断るわ」
あっさりと断って、私はアパ-トへと。
無料で海外旅行・・・この意味を理解できますか?

つまり「麻薬の運び屋をしてほしい」ということなのです。
ああ、恐ろしや、恐ろしや。



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