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萩原芳樹のブログ
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先程のTV放送「ごきげん!ブランニュ」で、極寒吹雪の中で、鯖街道を歩いていたサブロ-さん。

私がロケ現場に行けなかったことを、放送で見て少し後悔すらした程、サブロ-さんのことを改めて尊敬してしまった。

そんなサブロ-さん、7日の日曜日にフルマラソン「篠山マラソン」を走った翌日、イランへと旅出って行った。

寛平さんの「ア-スマラソン」に、「是非一緒に少しくらいは走りたい」という思いで、イランのテヘランに向かわれたのだ。

10日に寛平さんにはサプライズで合流して、一日一緒走られるようだ。

この様子は、おそらく翌日の寛平さんのブログ動画で見ることができるので是非チェックしてみてください。

それにしても、寛平さんも凄いが、サブロ-さんも凄い。
私も何か頑張らなくては・・・。

うん、明日は早起きをしてテニスで全体力を使ってみよう。
ただし、相手は昼間暇な芦屋のオバハンばかりだが・・・。
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タカロア島は、タヒチの離島。
ホテルや店もなければ、何の産業もない。
電気も水道もない・・・と、言いたいところだが、電気は皆自家発電を使っていた。

ただ、困ったのは「水」の問題である。
周囲海に囲まれているというのに、水に困るという状況。
(井戸を掘っても仕方がないのである)
とにかく「お風呂に入れない」のには弱った。

飲み水は、タヒチ本島から持って来たペットボトルで何とかなった。
しかし、風呂には大量の水が必要となる。
島の人は雨水を貯めて、大切に使っている。

一応、風呂には入れる。
しかし、雨水を貯めた湯舟のわずかな水を、いかに大切に使わなければならないのかが問題となる。

ロケ班は全員、風呂をガマンしたが、私はこっそりと入ることにした。
でも、水は貴重なので、風呂桶に少量の水で頭や体を洗った。

風呂上がりで気持ち良さそうな私を見つけて、ロケ班は皆でうらやましがっていた。

やっぱ人間にとって一番大切なのは「水」ということなのだろうか。

「水不足」からか知らないが、タカロア島の人達は歯磨きをしないので、みんな虫歯だらけであった。
でも、そんな歯をむき出しにして、明るく笑っている人達であった。

南の島の朝は最高である。
リポ-タ-の高原君(元アラジンで、今は作曲家)と、民家の自転車を借りて、朝の散歩に出かけた。

空港まで行って見た。
何しろ週に一便しか飛行機が来ない空港。
誰もいないし、ただただ広い平地のみ。
滑走路を自転車で走れるなんて、後にも先にもこの時しか経験できなかっただろう。

この島の海抜は、なんと2メ-トルしかない。
ド-ナツ状の平地が内海を取り囲んでいるだけの島である。

「台風や津波が来たりしたら、どうなるんだろう?」
素朴な疑問である。
そこで早速聞いてみたところ、ずっと昔に台風が襲って来て大変なことになったらしい。
台風の高波が、わずか2メ-トルという海抜の島に殴りかかって来る。
大人達は、高波に流されまいと、その辺りの木に必死でしがみついたようだ。

さて、ここで問題。(実際に「クイズ仕事人」の問題にもしましたが)
「非力な子供達を台風の高波にさらわれないように、どんなことをしたのでありましょうか?」

正解は、「台風前に、子供をヤシの木の高いところに縛り付けていた」
でした。

島の年配の人に話を聞くことができた。
「俺は、あのヤシの木の、あの高い所に縛られていたんだよ」と、ニコニコしながら話してくれた。
生きてること全てがハッピ-・・・この島の人達みんなが、そう感じているのかも知れない。


人間、天災から身を守る知恵は素晴らしい。
でも、天災は必ずといっていい程、弱い者ばかりに被害を及ぼすから、始末が悪い。


タヒチ本島の郵便局で、両替をしようとしたところ、局員が仕事もせずに、表で座り込んでダベっていた。
「中に戻って仕事をしろ!」と、私が合図をしたら、渋々その郵便局員は仕事場に戻って来た。

だが、私がフランス語は勿論のこと、英語もろくに喋れないと察するや、ニヤニヤと小バカにして、こう言ってきやがっった。
「俺は、フランス語、英語、タヒチ語の三ヶ国語を喋ることができるんだ」と。
私は、すかざずこう返した。
「ジャパニ-ズ!ジャパニ-ズ!ジャパニ-ズ!」と。
そして、恐ろしい顔で「ハリ-アップ!」と叫んでやったら、やっと仕事モ-ドになったその男。

日本人は、外国に対して本当に弱気な民族だ。
政府の姿勢を見ているとよくわかる。
徳川幕府の鎖国が余りにも長くて、そのDNAがしみこんでいるせいかも知れないが。

でも肝心なのは、「お互いに打ち解けようとする心の問題」だと思う。

お世話になってる島の民家のお母さんに、「ジュ-スが飲みたい」と、私が申し出たことがあった。
100キロは超えていると思われるタヒチのお母さんは、現地語で濃縮ジュ-スを薄めて飲め・・・と、説明してくれた。

「これを五倍に薄めて飲んでくれやと」
私がスタッフにそう説明すると、
「ええっ?今の会話で理解できたのですか?」と、ビックリしていた。

気持ちが通じれば、必ず言葉は通じるものである。
最近のこの国では、言葉をあえて通じさせようとせず、気持ちをすれ違いさせよう・・・等という奴等が増えすぎているような気がしてならない。


タカロア島の子供達は、本当にみんな元気で良い子ばかりであった。

学校が終わると、みんな海に入ってはしゃいで遊んでいる。
何故海で遊ぶのか・・・。
海が余りにも素晴らしいから?
陸地は猫の額ほどだから?
違います。
正解は、海にいると蚊に襲撃される危険がないから。
とにかく陸にいるだけで蚊の餌食となってしまう。

スタッフが撮影している間、私は少し暇になったので釣りでもすることにした。
釣り竿なんて、この島では邪道。
糸と針と、エサのタコさえあれば良い。

私が桟橋で釣りをしていると、また子供達が沢山集まって来た。
みんな私のマネをして、釣りを始めたのだ。

海の透明度が余りにも凄いので、釣りをしていて楽しいのか、楽しくないのかわからない。
というのも、魚が寄って来る様子が、余りにも鮮明に見えてしまうのだ。

私の隣りで糸を垂らしていた子供が、大きな魚を釣った。
が、釣ったその魚を針から外そうともせず、私に「外してくれ」と、いう合図をして来た。
その魚は、「おこぜの親分」のような風貌であった。
何だか気味悪いので、私は断ることにした。

このことは幸いだったようである。
この様子をビデオで撮影して、後日「横溝」さんに見せたところ、
「萩原さん、これはスト-ンフィッシュといって、猛毒を持つ魚ですよ。こんなモノに手をふれたらたちまち毒がまわり、タヒチ本島の病院に着くまでに、あなたの命は危なかったかも知れませんよ」と。

ああ、恐ろしや恐ろしや。
美しいモノには、毒がある・・・なんてよく言うが、まさしくそれ。
美しい海だからと、気を許してはいけないのである。

子供達が、ウツボを釣っていた。
ウツボは海のギャングである。
そのことを子供達は熟知しているようで、釣ったウツボを陸に揚げては、全員で棒でメッタ打ちにしていた。
そして、殺したウツボを足でまた海に蹴っていた。

なるほど。
ウツボは、あらゆる魚を食べている悪い奴だ。
「今度は、オマエがエサになる番だ」ということか。

元気で明るくたくましい島の子供達。
あれからもう20年にもなる。
あの子供達は、今どこでどんな大人になっているのだろうか・・・。

タカロア島で驚いたことの一つに、島の人達がとにかくやたら人なつっこくて、陽気であるということだ。

道ですれ違うだけで、ニコニコと手を振って挨拶してくれる。
これは、我々が日本からの客という訳ではなく、誰にでもそうであるようだ。

真珠の養殖場の経営はフランス人である。
タヒチはフランス領なので、フランス人が支配している。
養殖技術は、手先の器用な日本人しかできない。
そして、そのアシスタント作業を現地のタヒチアン達がやっている。

つまり、フランス~日本~タヒチという順に雇われている訳だ。
我々が訪れた作業場の他にも、タカロア島にはいくつもの黒真珠の養殖場があり、全て同じシステムらしい。

我々の訪れた養殖場のアシスタントをしていたのは、養殖場から50m程離れた小さな水上バンガロ-に住んでいる大きなタヒチアンの男であった。

我々が来て確か3日目の朝のことだった。
いくら待てども、そのアシスタントは仕事に来ない。
見れば、50m先の自分の小屋の前の桟橋でゴロ寝をしていて、大きな声で、こちらに向かって叫んで来た。
「ワシは、昨夜酒を飲み過ぎたから、今日は仕事はしないよ」と、平気で寝ているのである。

それを見た作業場の人達は、みんなで笑っていた。
のんきな土地柄なのである。

タヒチが何故今だに独立せず、「フレンチポリネシアン」と名乗り、フランス領になっているのか・・・。
私は、その理由がわかったような気がした。

戦う・・・ということをしない民族。
とにかくフレンドリ-で、みんなハッピ-なのである。

かの「キャプテンクック」がこの地を訪れた時、「ポリネシアン民族は、食べ物もくれる奴らで、決して襲っては来ない」と、船乗り達に教えたという。

地球上の民族全てが、ポリネシアンだったらいいなぁ・・・。
美しい海を見ながら、私はそんなことを考えたりしていた。


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