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萩原芳樹のブログ
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結局、ヘンリ-はらん子の部屋に転がり込むことになり、また二人の同棲生活が始まった。
らん子は何かとヘンリ-の世話をして、小遣い銭を持たせたりしている始末。

そんな暮らしがスタ-トとして3日目のことであった。
笑楽座の楽屋で、ぴん子がらん子に話があるという。
「らん子、あんたまたヘンリ-と暮らし始めてるというのはホンマか?」
ぴん子が、眉に縦じわを寄せた表情で、らん子に詰め寄った。
「ええ、まぁ」
「悪いことは言わん。早う別れ」
「けど、久しぶりにヘンリ-の姿を見て、放っておけんようになったんや」
「それは情だけの話。いや、情以下で愛なんてもんやないのや。あんたはヘンリ-とかかわりになればなるほど不幸になる」
「そないに断言せんでも・・」
「いや、断言したる。早う別れ」
「そやけどな、ヘンリ-が作った曲、ごっついええねん」
「ヘンリ-が作った曲?」
「ヘンリ-て、寄席の世界では売れへんコミックバンドやったけど、ホンマは立派なミュ-ジシャンやと、その曲聴いて感動したんや。あの曲は絶対にヒットすると思うんよ。そやからヘンリ-の曲が売れるまで、私が支えてあげようと思うてるねん」
「そうか・・勝手にしいや」
びん子は大きなため息をついた。

女芸人が男に夢中になって芸がおろそかになる例は多い。
しかし、今回の場合は例外だとぴん子は悟ったのだが、らん子が不幸になって行くであろうという予感はしていた。
ゆえに忠告をしてみたのだが、今のらん子には無駄のようであった。

そんなところへ、ぽん子がウキウキ気分でやって来た。
久しぶりにTVの仕事が入ったというのである。
ここ笑楽座では、「フレンド2」の人気が続き、「こまどり娘」の舞台も余りウケない状態が続いていた。
そんな時にTVの仕事が入るとは朗報であった。

しかし、その内容を聞くやいなや、ぴん子は憤慨して起こり始めたのであった。

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