萩原芳樹のブログ
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笑楽座の楽屋に、人気者の「フレンド2」の二人がやって来た。
「おはようございます!」 楽屋の連中が挨拶すると、テリ-はカッコつけたまま、 「ウ~スッ!」と。 「ウ~スやない!おはようございますやろ!」 ぴん子が注意するが、テリ-は小バカにしたように半笑い状態である。 寄席の楽屋では、その挨拶の仕方で上下関係がわかる。 つまり、後輩は先輩に対して「おはようございます」と、90度頭を下げて挨拶するが、一方の先輩は軽く会釈程度の挨拶で良い。 笑楽座に出るようになって一年にも満たない「フレンド2」は、当然先輩芸人達にキチンと挨拶しなければならないのだが、テリ-は自らの人気で天狗になっていた。 「今、舞台に上がってるのは誰?俺等TVの仕事にすぐ行かなアカンから、さっさと下りて来てもらいたいな」 テリ-の生意気な態度は続く。 「あのな、笑楽座にはな、みんなそれぞれ持ち時間があって、その持ち時間を大切に芸をやってるのや!自分等の劇場みたいなこと言うのはやめ!」 ぴん子が、またも怒り出したが、 「そうや。支配人に言うて来よう」 と、テリ-は、無視して支配人室に行ってしまった。 「ぴん子姉さん、すみません。相方のせいで姉さんを怒らせてしまって」 テリ-の相方のミックが、深々と頭を下げて謝った。 「別にあんたに謝ってもろうても仕方ないがな。そやけどミック、あんたのナマリはなかなか取れへんなぁ」 岡山の田舎出身というミックはかなりナマリがひどかった。 関西で漫才をするのに、大阪弁のイントネ-ションを喋られないというのは、かなりのマイナスである。 ましてや、ボケ役ならまだしも、ツッコミ役の方が変なナマリがあっては漫才として成立しにくい。 「テリ-に、そのナマリ何とかせぇと、いつも怒られるんですけど、これでも最近はかなりナマリ取れたと思うんですよ」 ミックがメチャクチャなまりながら訴えた。 楽屋のメンバ-は、ミックが可哀想なので本当のことを言えない。 「それはそうとミック、あんた等ブラックタイガ-スのメンバ-やったんやな」 らん子が思い切って聞いてみることにした。 「麻薬で捕まったヘンリ-のことやけど、その後どうしてるのか知らん?」 「知んねぇなぁ」 またひどいナマリでミックが答えた。 それから数日後のことであった。 ヘンリ-の姿を見たという芸人が、らん子にそのことを伝えた。 ミナミの相生橋のたもとで、ギタ-を弾きながら道行く人から金をもらっていたというのである。 らん子は行ってみることにした。 PR |
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