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萩原芳樹のブログ
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ブル-マウンテン農場の事務所に連れて行ってもらいました。
そこは、元々奴隷を監視していた総督邸の後で立派なお屋敷。
かのミックジャガ-が、どうしてもほしくて一度買ったことがあるという有名な豪邸を事務所にされていました。

コ-ヒ-園を見せてもらいました。
ちょうど取り入れ時期なので、地元の人達が忙しそうにコ-ヒ-豆をつんでいました。
そんな働いていた男性の一人に、長沢さんは声をかけたのです。
「お腹空いてるだろう? パンを持って来た。食べなよ」
と、大きな袋に入れたパンを差し出します。
すると、「俺はお腹いっぱいだから、このパンは家に持って帰って女房や子供にやるよ」と、そのパンをポケットにしまい込みます。

私には普通の光景にしか見えなかったのですが、長沢さんから話を聞かされて驚きました。
「あいつ、きっと朝から本当は何も食べてないと思うんです。だからパンをあげたのに、そのパンすら家族に食べさせると言ってる・・・」

コ-ヒ-園の仕事は、取り入れの時期など忙しい時だけの臨時雇いです。
普段は何の仕事にもありつけない人達が、今コ-ヒ-園で働いている。
ジャマイカの山で暮らす人達は本当に貧しいのです。

彼等の家を遠くから見ることができました。
厳しい断崖にバラック小屋がいくつもあり、それが彼等の住居らしいのです。
向かいの山の尾根からは見えるのですが、そちら側にまわると険しい断崖なので、全く家の存在に気付きません。
「変わった場所に何故そんな家を建てて暮らすのかなぁ」と、私も最初は不思議でしたが、その理由が解明されるや、また切なくなってしまいました。

彼等のブル-マウンテンの小屋は、昔の「奴隷の逃亡小屋」の跡なのです。
どういう意味なのか、また続きをお話します。
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