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萩原芳樹のブログ
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昔ラジオドラマで書いた作品を、また一つ思い出したので、また綴ることにします。
また、あらすじのみですが・・・。

(物語)
ブロイラ-は、毎日イライラしていた。
小さな小屋に閉じこめられて、連日陽に当たることもない。
「思いっきり太陽を浴びて、一度くらいのびのびとした暮らしをしてみたいなぁ」
そうは思っても、所詮は食用のブロイラ-である。
「結局、僕は人間に食べられる為に生まれて来たのだから、仕方ないか」

ブロイラ-は、自分の体についている羽根を、しみじみとと見た。
「本来は、この羽根、飛ぶ為に存在している筈なのに・・・」
ブロイラ-は、飛んでみたかった。

閉じこめられた狭い小屋の中で、何度か飛んでみようと挑戦してみたことはあった。
しかし・・・すぐ天井にぶつかった。
痛かった。
情けなかった。

「自由になりたいなぁ・・・」
そんなことばかりを思っていた、ある日のことであった。
小屋の主が、鍵をかけ忘れていたのに気付いたブロイラ-は、思い切って脱出を試みた。

ブロイラ-は、ひたすら逃げた。
南へ・・・南へと・・・。
太陽の方向に向かえば、何か良いことがあると信じて。
人間に見つかって、すぐ殺されるという恐怖感で一杯だった。
ひたすら南へと向かった。

海に出た。
太陽の光がブロイラ-を包み込む。
「幸せだなぁ。これが太陽なのか・・・」
ブロイラ-は、テトラポットの上で、太陽を浴びながら昼寝を決め込んだ。
心地良い昼寝だった。
空を見上げると、沢山の鳥達が自由に、面白そうに飛びまわっていた。

ブロイラ-は、そんな鳥達の仲間に加わりたかった。
羽根を思いっきり広げて、羽ばたこうとした。
しかし・・・

飛び立つやいなや、テトラポットの隙間に落っこちてしまった。
「痛たたた・・・!」
鳥の仲間でありながら、もはや飛べなくなている自分に腹が立った。

「大空を飛んで、どこか遠くへ行きたいなぁ」
傷ついた体をいたわりながら、ブロイラ-は、遠くに飛び立つことを夢見ていた。

そんな時である。
テトラポットの前の浜に、サ-フボ-トがプカプカ浮いているのを発見した。
「どうせ飛べないんだから、こいつに乗ってみるとするか」

ブロイラ-は、ヒョイとサ-フボ-ドに飛び乗った。
そのサ-フボ-ドは、引き潮に誘われて、ブロイラ-を乗せたまま、どんどん沖に進んで行くではないか。

サ-フボ-ドに乗ったブロイラ-は、大海原に運ばれて行ったのである。

~さて、このブロイラ-の運命やいかに~




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