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萩原芳樹のブログ
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今回の「キヤバレ-哀歌」の冒頭シ-ンに、キャバレ-のホステスさんが引き抜かれたという事件が勃発します。

昭和の時代、どこのキャバレ-もホステスさんが財産なので、引き抜きには注意を払っていたものでした。
私も、そんな場面に遭遇した経験がありました。

キャバレ-ではないのですが、新宿歌舞伎町の「サバンナ」というクラブに、週に一回の契約で私がボ-ドビルショ-をしていた頃のこと。
ある日、店に行ってみると「ホステスがごっそり引き抜かれたのでショ-は中止する」と、マネ-ジャ-から。

一回一万円の契約で、その度現金をもらっていた私は、
「ショ-を中止するならキャセル料をください!」と、ごねました。
すると、「何を言ってるの!できればあんたにもホステス代わりに客の席についてほしいくらいだ」と。

私は、店と正面からケンカして、「もうこの店、来ませんからね」と。
まだ20歳の若者でしたから、ホステスを引き抜かれた店の立場も考えずの行動だったのですね。

その店を出たものの、正直財布には小銭しかありませんでした。
店から現金でもらえる一万円をアテにしていたのです。

むしゃくしゃしたので、歌舞伎町で飲むことにしました。
でも所持金はないので、知り合いのマスタ-に電話して、ツケにしてもらうことにして。

そのマスタ-は、私の様子を察して「何があったんだよ?」と。
私はショ-がキャンセルになった話をして、そして・・・。
「マスタ-、実は金ないんですわ。帰りの電車賃、千円くらい貸してもらえませんか?」

そう言うと、マスタ-は「男が千円貸してなんて言うな!カッコ悪い。金借りるのはなぁ、一万円単位や」
と、一万円を手に握らせてくれ、
「五郎ちゃん、これは出世払いで貸した一万円だよ。返したいのなら、早く売れることだ」と、マスタ-。

その時、思ってもみなかった涙がボロボロとあふれて出て来ました。
マスタ-の優しさ。そして、自分の情けなさに対して。
「自分のような者にも、応援してくださる人がいる。キャンセルされた店のマネ-ジャ-も、そうだった筈だ。なのに・・・なんて自分勝手な奴なんだ、俺って」

結局、私は売れなかったので、その一万円を返しそこなったまま。
歌舞伎町の優しいマスタ-、本当にゴメンなさい。


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