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萩原芳樹のブログ
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これは、第15作「寅次郎相合い傘」での寅さんのセリフです。

旅先で、寅さんが親切にしてくれたからと、とら屋に高級メロンを持ってお礼に来た人がいて、高級メロンをもらったとら屋の人たちは大騒ぎ。
早速、夕飯のデザ-トに、そのメロンをいただこうとします。

オバチャンは、人数を数えて六等分にメロンを切る訳ですが、商売に出かけている寅さんの存在をすっかり忘れています。

みんなが「美味しい」と、メロンを食べ始めた時のことです。
寅さんが鼻歌を唄いながら帰って来ます。
「いけない!寅ちゃんのこと、忘れてた」と、オバチャン。
一同、バツ悪く、ちゃぶ台の下に食べ始めたメロンを隠します。

何かおかしな空気だと感じて、やがて皆が隠していたメロンに気付く寅さん。
凄い血相に変わります。
そして、暫く間があって、このセリフです。
「訳を聞こうじゃないか・・・」

メロン一つのこと。それを深刻なセリフにしてしまう。
素晴らしい脚本であり、演出だと感動しました。
つまり、このセリフの奥底には、「どうせ俺は家族の一員じゃないだろう」という寅さんの思いがあっての言葉なのですが・・・。

この回は私、新宿松竹の封切りの夜のオ-ルナイトで観ていました。
映画館には、ホステスさんらしき寅さんファンで満員。
このセリフに場内は爆笑だったのを記憶しております。
そして、開演前と、終演にはファンのホステスさん達も大拍手。
映画館で、あんな拍手や爆笑を経験したのは、後にも先にも、寅さん映画だけでした。
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