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萩原芳樹のブログ
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キャバレ-まわりをしていた頃のエピソ-ドをもう一つ。

あれは新潟のキャバレ-に出演していた夜のことです。
「そろそろ寝ようかな」と思っていたら、ノックの音。
「もう寝ました?ちょっといいですか」
部屋に入って来たのは、私の前座で歌っていた3人組の男性グル-プの一人。

確か「若鷲」とかいうグル-プで、ゼロ戦の飛行服を着て、軍歌ばかりを歌っていた3人組です。
当時のキャバレ-の客は、戦争体験のある年配客も多く、軍歌を歌うと一緒にコ-ラスしての大盛り上がりとなります。
その日も前座の軍歌が大ウケで、その後の私のステ-ジは散々でした。
見たところ、私よりも若い18~19歳位の3人組。
「若いのに軍歌なんか好きやなんて、変わった連中やな」と、私は思っていました。

「お兄さん、このマンガ、僕もう読んだので、良かったらと思って」
わざわざマンガを届けに部屋まで来てくれたのです。
「有り難うな」
何か話をしたそうだったので、少し話することにしました。

「お兄さん、アイドルのプロダクション、詳しいですか?」
と、少年の言葉。
「悪いけど、まだ東京に来て間がないんで、余り知らんのや。ゴメンな」
私の言葉に、少年は少しガッカリした様子でした。
「僕ね、フォ-リ-ブスみたいになりたいと思って、東京に出て来たんです。歌のレッスンに通い始めたら、すぐにデビュ-のチャンスがあると聞いて、喜んで今の事務所に所属したんです。それで、衣装やと渡されたのが戦闘服で、こうやってキャバレ-まわりをしては軍歌しか歌わせてらえない毎日です」
「そうやったんかいな・・・」

確かに若者が戦闘服で軍歌を歌えば、キャバレ-の年配客は自分の青春を思い出して涙します。
その辺りをくすぐったグル-プに入れられて、その少年は悩んでいるようでした。
一応彼の電話番号だけ聞いて、「おやすみ」と。

私は複雑な気持ちで、持って来てもらったマンガをペラペラとめくっていました。
すると・・・マンガ本の裏に彼が練習したと思われるサインの跡がいくつもありました。
「サインの練習か・・・」
そして、その下には「700円、530円・・・」と、何だかわからない金額が綴られていて、横には日にちが。
「ああ、使った小遣い書いてたんか」と、理解できた私。
細かい小遣い計算をしては、サインの練習をしてたんですね。

その後、彼は昼間私が司会していたロックコンサ-トの会場に一度だけ来たことがありました。
その時、よくよく彼の顔を見て、悪いけど私はこう思ってしまいました。
「その顔ではアイドル無理やな」と。

昭和48年のお話でした。
いかにも昭和なエピソ-ドだと思われませんか?
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