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萩原芳樹のブログ
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「松の木、甚平」は、姿を変えられてしまった。
紙にされ、雑誌になってしまったのであった。

雑誌といっても、一般の週刊誌ではなく、ビニ-ルで閉じられた「エロ本」にされてしまったのである。

「屈辱的だなぁ、よりによってエロ本にされるなんて・・・。人間のバカヤロ!」
甚平は、腹が立ったが何もすることはできない。

うさん臭い書店の片隅に、甚平のエロ本は並べられた。
書店に並べられて、一週間で甚平のエロ本は、買われて行った。
眼鏡をかけた陰気そうな中年のオッサンだった。

オッサンはどうやら結婚していて、子供もいるらしく普通の中流家庭のようだった。
しかし、オッサンは甚平のエロ本を、こっそりと家族に見つからないようにして、深夜に一人見ては興奮していた。

甚平は男である。
木は男と女に別れている。(このことを知らない人も多いが、木を二本植えるというのは、そんな意味もある。二本植えたら、どちらかが雄になり、雌になるらしいです)

男の甚平にとって、人間のオッサンのオナニ-を見ることは耐え難いものがあった。

そして、一ヶ月経ったある日のこと、オッサンは甚平のエロ本を持って出かけた。
「どこへ連れて行くつもりだろう?」

連れて行かれた場所は、町はずれの小さな神社だった。
オッサンは、周囲を見渡して、甚平のエロ本をポ~ンと、神社の裏の茂みに捨てたのである。

「何すんねん!オッサン!」
甚平は、余りにも情けなかった。
こんなことなら、故郷の山で何事もなく一生過ごした方が、ずっとましだった。

「このまま雨風に打たれて、ボロボロになって終わってしまうのかなぁ」
甚平は、故郷の同級生の「杉の木、弥太郎」のことを思った。
「あいつは今頃、立派な柱ですね・・・なんて言われているに違いない」

神社の裏の茂みに捨てられた甚平のエロ本は、日が経つにれ、ボロボロになって来ていた。

ところが、そんな甚平のエロ本に手を差し伸べた人物がいたのである。
どう見ても小学生だった。
「こいつ!小学生のくせにどういうつもりや?」

果たして、甚平の運命はこれからどうなるのだろうか・・・。
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