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萩原芳樹のブログ
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寂しいライオンの「獅子の助」は、飼育係に一応聞いてみた。
「僕を象と一緒のオリにしてもらえませんかね?」と。

「バカタレ!」
飼育係の答えだった。

秘かに恋していたメスの象と一緒に暮らすなんぞは、所詮夢でしかなかったのだ。

それからは、また獅子の助はオリの中で寂しく暮らす日々が続いた。
動物園に来た人間どもは、口々に
「ライオンよ。恐ろしいわよ」と、言って見ている。
獅子の助は、ずっと「ふて寝」を決め込んでいた。

そんなある日のこと。
飼育係が突然現れて、
「おい、オマエの女房が来たぞ」と。

一匹のメスライオンが連れて来られた。
ノッシノッシと・・・。

獅子の助は、もはやメスの象に惚れてしまっている。
今更メスライオンを連れて来られても・・・。

オリに入って来たメスライオンは、堂々としていて大きかった。
そして、いきなりジワジワと、獅子の助に迫って来た。

獅子の助は、除けようとした。
が、すかさずメスライオンは、獅子の助に覆い被さって来た。

「おい!いきなり何をするんだ!」
獅子の助は、身動き取れない状態に。

すると、上になっているメスライオンが、こう呟いた。
「兄ちゃん!やっぱ兄ちゃんだね」
何と、そのメスライオンは、妹ライオンだったのである。

「兄ちゃんのこと、心配してた。だから、私わざと捕まって兄ちゃんに遭いたいと思って・・・。けど、こんなに偶然にすんなり遭えるなんて」

獅子の助は、故郷の妹に再会出来たことに涙した。
しかし、勢い余って、妹と肉体関係を持ってしまったのであった。

獅子の助は、本当にダメなバカライオンである。
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