萩原芳樹のブログ
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では、動物や虫を擬人法で書いていたラジオドラマを思い出して、綴って行くことにします。
まずは「老人の拾いモノ」という作品。 これは、取り立てて擬人法でもないのですが・・・。 (物語) その老人は、60歳を越えていた。 定年退職した後、僅かの年金暮らしをしている。 家族は誰もいない。 子供のいない夫婦暮らしの末、妻を3年前に亡くしての一人暮らし。 8畳一間のアパ-ト暮らしであった。 これといった趣味もなく、友達もいない。 老人は毎日することがなかった。 せいぜい近くの川べりを散歩することだけが生きがい。 そんなある日のこと、川べりを散歩していると、一匹の子猫を発見する。 子猫は河岸の草むらに座り込んだままだった。 どうも、足が不自由なようであった。 老人は、子猫に優しく語りかけようとしたが、何を言っていいのやらわからない。 その足の不自由な子猫と別れて帰宅する。 夜になった。 老人は、いつものように「茶漬け」と「漬け物」で夕食を終えると、急に子猫のことが気になり始めた。 散歩コ-スの川べりまで早足で向かった。 子猫は夕方と、同じ格好で座ったままだった。 「かわいそうに、交通事故に遭ったのか?飼い主も、さぞ心配しているだろうに」 老人は、そう思ったが、飼い主を見つけることも至難の業と思い、とりあえずは、その子猫を自分のアパ-トに連れて帰ることにした。 子猫はお腹が空いていたようだった。 猫用のペットフ-ドを買って来て与えると、凄い勢いでパクついていた。 翌朝から、老人に笑顔が蘇って来ていた。 妻を亡くしてから3年。老人は、笑ったことがなかったのだ。 子猫は、老人になついた。 こうして三ヶ月の月日が流れた。 ひとりぼっちの老人は、子猫の成長が何よりの楽しみであった。 しかし、その成長ぶりが普通ではなかった。 拾って来た時は、ごくごく小さな子猫であったのに、三ヶ月した今、70センチもの体長になっていた。 普通の猫よりも大きく成長してしまったのである。 老人は、動物病院に行った。 「この子、何という種類の猫なのですかね?余り成長が凄すぎるもんで」 すると獣医は、こう答えた。 「ネコ?違いますよ。これは虎ですよ」 「ハァ?虎?」 老人が拾って来たのは、なんと虎の赤ちゃんだったのである。 それからというもの、老人と虎は8畳一間で生活を送る日々となった。 アパ-トで動物を飼うことは禁止されている。 幸い足の悪い虎は、部屋に常に座り込んだまま。 老人が、エサを買って来ては、虎に与える。 虎は老人の語りかける言葉が理解できるのか、目をウルウルさせてばかり。 でもこの後、とんでもないことが起こるのです。 ~続く~ PR |
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