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萩原芳樹のブログ
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二代目柳流亭らん子を迎えて、ぽん子はらん子考案のテ-マソングを絶賛し、一方のぴん子は「センスが古い」と、猛反対。

そんな渦中に突然の訪問客が現れた。
なんと失踪していた「初代らん子」が平然と、楽屋に姿を見せたのである。

「おはようさん。暫く留守にしてゴメンな。何か変わったことでも?」
一ヶ月も舞台に穴を開けておいて、帰って来るなり開口一番のセリフがこうであった。
「舞台を一ヶ月も穴開けといて、帰って来て最初のセリフがそれかい!」
ぴん子が、今にも殴りかからんばかりの勢いで迫る。

「突然穴を開けたことはこの通り謝る」
と、軽く頭を下げて、
「そやから済んだことは水に流して、また3人でやって行こう。なっ!」
全く初代らん子という女は、散々迷惑をかけておきながら、全く悪びれた態度も見せない。
どうやら今回が初犯ではなく、過去に何度も同じようなことを繰り返していたようである。
それを証拠に、ぴん子が大きなため息をついて言う。

「姉さん、あんたホンマにリ-ダ-失格や。それにな、これまでのようにまた元に戻れる思うたら大間違いや。あんたの戻る場所は、もうないねん」
「戻れる場所がないて?」
「柳流亭らん子はな、この人が継いでる」

楽屋の化粧前で小さくなって、そんなやりとりを聞いている二代目らん子の存在が、初代の目に入った。
「継いでるて、私に何の許可もなしに。そんなことは絶対に許さへんで!何を勝手な!」
ぶらり帰って来た初代が怒り狂ってみても、それは取り返しのつかないこと。
自分で取り返しのつかないことをしでかしたのだから仕方がない。

「勝手なんはどっちや」
ぴん子が、やや冷静になって続ける。
「うち等はな、二代目らん子はんと一緒に新生こまどり娘として、スタ-トしてんのや!この二代目はあんたよりもずっと凄いで。テ-マソングも作って来たのや」
「ええっ?テ-マソングを?」

驚いている初代の前で、3人はテ-マソングを唄って踊って見せた。
「ぴん子!気に入ってくれたんか?」
ぽん子が喜んで叫ぶ。
「しゃあないがな。以前のこまどり娘とは違うっちゅうとこを見せたらな」
ぴん子にとってテ-マソングは気に入らなかったが、初代がこんな形で戻って来た以上、何が何でもチ-ムワ-クの良さを見せなければならないという思いで一杯だったのである。

「フン!何が二代目じゃ!そんな音曲トリオなんかなぁ、今につぶれる。いや、この私がつぶしたる」
初代は、口には出さなかったが、悔しさが体全体に充満しきっていた。
そして、初代の逆襲が始まるのであった。

昭和のこの時代、数々の前途有望な漫才コンビが、楽屋の陰謀で消えた行ったことは確かである。


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