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萩原芳樹のブログ
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ヘンリ-の姿を見つけたので、ジョ-ジは酔った足取りでフラフラと近付いて行った。
「ヘンリ-、久しぶりやな。どうや一緒に呑もうや」
「ジョ-ジ、オマエどこで呑んでるねん」
と、酔ったジョ-ジを軽蔑の目で見て、ベンチで呑んでいるらん子にもチラリと目をやった。

「せっかくやけどな、今から録音の仕事が入ってるんや」
「録音やて?」
「ああ。実は俺、今度結成されたグル-プサウンズで『ブラックタイガ-ス』ちゅうグル-プのリ-ドギタ-にスカウトされてな。これからスタジオや」
「スタジオて?凄いなぁヘンリ-」
羨ましそうな眼差しでジョ-ジはヘンリ-を見た。

昭和43年といえば、空前の「グル-プサウンズブ-ム」が日本列島を包み込んでいた。
テンプタ-ズに、スパイダ-ズ、ジャガ-ズ、カ-ナビ-ツ、ゴ-ルデンカップスと、次々とブラウン管に新しいGSが登場しては観客の若い女性を魅了していた。
中でも、タイガ-スの人気は凄まじかった。

そのタイガ-スだが、デビュ-前は大阪の「ナンバ一番」という音楽喫茶で「ファニ-ズ」という名前で出演していた。
他にも、「オックス」や「ライオンズ」等も大阪からの上京組であった。
つまりヘンリ-が誘われたグル-プも、活動の拠点を東京に移し、本格的に売りだそうということになったらしい。

そんな中に活動場所をあえて大阪にこだわり続けるGSグル-プもいた。
「加賀哲也とリンド&リンダ-ス」である。
彼等はヒット曲を次々と出しながらも大阪で活動を続けたという珍しいGSであった。

ヘンリ-がその場を離れようとすると、らん子が大声で叫んだ。
「ヘンリ-!ぽん子さんを裏切るようなことだけはやめてや。何せぽん子さんはあんたが初めての男やったんやから」
ヘンリ-が無視するように行こうとする。
「聞いてるのか?うちとあんたとはもう終わってるねん。そやからぽん子さんをな・・・」
去って行くヘンリ-の背中に向かって叫び続けたが、ヘンリ-はスタスタと行ってしまった。

「呑もう、ジョ-ジ兄さん」
「そやな」
二人はまたベンチに座り、酒を呷り続けた。
らん子の頬に涙が流れていた。
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