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萩原芳樹のブログ
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ブロイラ-の「魚捕獲作戦」とは、こうだった。
まずブロイラ-が、海面すれすれに飛ぶ。
すると魚達は、鳥に襲われると感じて逃げ出す。
そこを待ちかまえていた少年が突くというものだった。
「そんなに上手いこと行くのかなぁ」
「やってみなきゃわからないじゃないか」

翌日、計画を実行することになった。
まずブロイラ-が危ない感じでフラフラと海面すれすれを飛んだ。
すると、魚達は予想通りに同じ方向に逃げて行った。
そこを待ち受けていた少年が、木の枝のヤリを水中で投げつけた。
見事に仕留めることに成功。

「やったよ!ついに魚を仕留めた!」
ブロイラ-と少年は、浜で抱き合って喜んだ。

それからというもの、この魚捕獲作戦は連日のように繰り返され、もはや飢えで苦しむこともなくなった。

数ヶ月の時が流れた。
ブロイラ-は、いつの間にか大空を自由に飛べるようになっていた。
少年も、ブロイラ-の協力がなくても、一人で魚を突くことができるようになっていた。

夜、仕留めた魚を食べながら、ブロイラ-がやおら語り始めた。
「もう卒業だね」
「卒業って?」
「この島をさ。君には心配している家族や友達がいる。いつまでもここにいてはいけない。君はもうどんな社会に出ても、立派にやって行けるまでに成長したと思うんだ」
「・・・でも、ボ-トは流されてしまっているし、どうやって戻るんだ」
「それなら大丈夫。僕に任せてくれればいい」
「どんな方法で戻るの?」
「明日になったら、わかるさ」

翌朝。
少年が目覚めると、ブロイラ-は、もう浜に出ていた。
「さあ、出発しようか。乗りな」
「乗りなって?」
「僕の背中に乗るんだよ」
「そんな無茶な。僕を乗せて飛ぼうというのかい?」
「そうさ」
「無理だよ」
「やってみなきゃわからないだろ」

少年はブロイラ-の背中にまたがった。
次の瞬間だった。
「えいっ!」というかけ声とともに、ブライラ-が飛んだ。
「凄い!凄いじゃないか!」

少年を乗せたブロイラ-は、大空高く飛んで行く。
「うわぁ、島がどんどん小さくなるよ」
「達者でな・・・。君と暮らした島の生活、ずっと忘れないよ」
「僕も勿論だ。でも、僕を運んでくれた後、どうするの?」
「こんなに飛べるようになったんだ。季節季節好きなところに飛んで行って自由気ままな生活をしようと思っているよ」
「渡り鳥になるりか・・・いいなぁ」

少年を乗せたブロイラ-は、懸命に大空を突き進んだ。
「太陽が気持ちいいな」
ブロイラ-は、太陽を見上げて歓喜した。
そして、涙が少しこぼれた。
          ~完~
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