忍者ブログ
萩原芳樹のブログ
[373] [372] [371] [370] [369] [368] [367] [366] [365] [364] [363]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

テレビが日本国中に普及したのは、今の金城天皇が皇太子様でご成婚の時であった。

ヨンちゃんの家にテレビが来たのも、この頃であった。
町内でも、かなり早い方だったので、夜になると近所の人達がヨンちゃんの家に集まって来る。

「おじゃまします。テレビ見せてください」
と、ヨンちゃんの家の6畳の座敷は超満員となる。

そこで、ヨンちゃんの父親は、威厳だっふりに床の間に置いてあったテレビの幕(が当時あった)を開けて、スイッチを入れる訳である。

映画小僧であったヨンちゃんは、今度はテレビに夢中になった。
「月光仮面」「赤銅鈴之助」「七色仮面」「隠密剣士」「風小僧」「まぼろし探偵団」「ジャガ-の眼」「ハリマオ」「矢車剣之助」等々・・・次々とTVから飛び出すヒ-ロ-ものに夢中になった。

そういえば、後日TBSのバラエティドラマで「赤銅鈴之助」をやることになり、ヨンちゃんは脚本を担当したことがあった。
子供の頃観ていた憧れの作品であり、スタッフロ-ルに「原作 たけうちつなよし」「脚本 萩原芳樹」と出たことを大変喜んだようだ。

まだ家庭にTVが普及していないその時代、街頭テレビに人は集まった。
電気屋にあるTVをみんなで見ているだけのことではあるが。

ある日、ヨンちゃんは街頭テレビでえらい災難にあったことがあった。
小学校一年の時のことである。

学校帰りに近くの電気屋のテレビをウィンド-越しに見ていた。
ちょうど相撲中継をやっていたので。
(ヨンちゃんは相撲が好きで、将来なりたい職業を聞かれたら相撲取りと言ってた程)

ランドセルを背負ったまま、たまたま見ていたテレビなのだが、相撲の取り組みが進むにつれて、どんどん人が押し寄せて来る。
ヨンちゃんは家でもテレビを見られるので、帰ろうとした。
が、もはや身動きも取れない程、背後に大人が詰めかけていた。

ヨンちゃんはTVの相撲を見るどころではない。
後ろから大人に押され、ウィンド-ガラスに、ピタ-ッと、顔を押しつけられた状態で、もはや息をすることも困難な状態になってしまった。
「このまま相撲を見ながら死ぬんか」と、思ったくらいである。

やっと相撲中継が終了し、ヨンちゃんは解放された。
家に帰って、婆ちゃんにそのことを話すると、「ケガしてないか?」と、婆ちゃんは凄い心配してくれた。

その時、ヨンちゃんは思った。
「寄り道するのはやめよう。婆ちゃんを悲しませるだけやから」と。
PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:


忍者ブログ [PR]
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリー
フリーエリア
最新CM
[10/11 バーバリー 公式]
最新TB
プロフィール
HN:
萩原芳樹
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
アクセス解析
アクセス解析
カウンター
忍者アナライズ
忍者アナライズ
カウンター