忍者ブログ
萩原芳樹のブログ
[224] [223] [222] [221] [220] [219] [218] [217] [216] [215] [214]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

暫くの間、このブログをサボって申し訳ありませんでした。

さて、今回から綴ろうと思っておりますのは、私が作家になる以前に作った物語です。
当時8ミリ作品にする予定でしたが、そんな余裕もなくオクラ入りした物語です。

(物語)
「松の木、甚兵衛」は、その山の中でも際だって醜い形の松であった。
人間の居住地に生息している松の木は、人間の手によって美しい形にされる。
しかし、山の中に自然に生えている松は違う。

「あ~あ、僕なんぞは所詮どうしようもない一生になるんだ」
松の木甚兵衛は、自分の醜さにふてくされていた。
「このまま、この山の中で一生過ごすことになるのかな。つまらない松の一生だ、全く」

そんなある日、甚兵衛の同級生である「杉の木、弥太郎」が、切られて行った。
「杉の木、弥太郎君は立派な杉だったので、どこかの豪邸の柱に就職先が決まったらしいわよ」
近所のオバサン木々が、そんな噂をしていた。

甚平がヤケになっいた時のことであった。
ある日突然、キコリのオジサンが来て、甚平を切り始めたのである。

「痛いっ!何すんだよ!僕をどうしようというんだよ!」
松の木甚兵衛は、切られてトラックに乗せられた。
そして、製紙工場へと運ばれて行く。

「ええっ?僕・・・いきなり紙にされるのかよ!確かに醜いけど松として認めてくれてもいいじゃないか!」

甚平は、大好きだった婆ちゃんの言葉を思い出していた。
「木の運命はな、紙にされたらおしまいよ。粉々にされて、姿形も変えられてしまう」

そして、甚平は紙にされてしまったのだが・・・
           ~続く~
PR


トラックバック
この記事にトラックバックする:


忍者ブログ [PR]
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カテゴリー
フリーエリア
最新CM
[10/11 バーバリー 公式]
最新TB
プロフィール
HN:
萩原芳樹
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
アクセス解析
アクセス解析
カウンター
忍者アナライズ
忍者アナライズ
カウンター