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萩原芳樹のブログ
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あれは、高校生の頃だったのか、それとも卒業後のことだったのか忘れましたが、楽屋に遊びに行った帰りに、八方さんに寿司をご馳走になったことがありました。

「なんば花月」の楽屋を後にして、八方さんと私は梅田に向かっていました。
「地下鉄で行こうか」と、二人して御堂筋線に乗ることに。

その時でした。
「寿司食べようか」と、突然八方さんが言い出されたのです。
「ハイ」
寿司をご馳走になれるのかと、私は喜んでいました。

すると、地下鉄「難波」のすぐ傍にあったテイクアウト専門も寿司コ-ナ-で、「巻き寿司二本ちょうだい。切らんでええ。包まんでもええから」
と、八方さんは、お金を払うと、巻き寿司二本を受け取り、一本を私に。

梅田までの切符を買ってくださり、巻き寿司を手にしたまま、八方さんと私は満員の地下鉄に。

夕方だったので、かなり満員で身動きできないような状態でした。
でも、そんなギュウギュウの地下鉄に立ったまま、八方さんは平然と巻き寿司をパクつかれたのです。

私がためらってると、「何や、寿司嫌いやったんか?」と、八方さん。
「いいえ、好きです」
「そんなら食べんかいな」

今でこそ節分に巻き寿司を一本食べる習慣はありますが、その頃そんなことをする人もなし。
まして、場所は満員の地下鉄に立ったままの状態です。

私は周囲の視線を無視して、その巻き寿司をいただくことにしました。
恥ずかしかったです。
でも、八方さんは平然と巻き寿司をパクついておられます。

この時、私はこう思ったのでした。
「芸人を目指す人間が、こんなことを恥ずかしがっていてどないするのや」と。

結局、食べ終わって梅田に到着して、「ごちそうさまでした」も、確か言えてなかったと思います。

八方さん、大変遅くなりましたが「ご馳走さまでした」
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