萩原芳樹のブログ
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昨日はブログを更新できず、失礼を致しました。
「R-1」で東京泊まりでしたので。 昨日の「R-1」の件ですが、審査員の堺正章さんが、いきなり高得点をつけられて、その後ご自身も戸惑っていらした様子、TVを通じて伝わっていたと思います。 すみません!あれは私のミスです。堺さんに「一番には基準点からスタ-トする」という基本的な審査のコツを伝えてなかったからなのです。 堺さん、申し訳ありませんでした。 さて、池山心さん演じる「支配人」について、今日はお話しましょう。 支配人というのは、どこの寄席小屋にもいる人。 劇場の収支決済はもとより、寄席小屋全てを取り仕切っている人です。 芸人さんの出番の割り振りも、勿論支配人の仕事。 まぁ、ベテランや、人気者に関しては、ギャラの問題やら色々あって、仕方なく組まれることも多いのですが、若手に関しては、結構支配人の好みで若手が選ばれたりします。 私が「B&B」として初舞台を踏んだ名古屋の「大須演芸場」の支配人は名古屋ながら、しっかりと若手を見て育て上げようとする度量の方でした。 私が初舞台を踏むずっと以前、「コント55号」と「やすしきよし」が初めて同じ舞台を踏んだのが、この劇場。 勿論、当時はどちらも無名の若手でした。 「やすしきよし」の漫才を見た萩本さんは、「凄いしゃべくりだな。我々はしゃべりでは到底勝てない。動き一本で勝負しよう」と。 一方の「やすきよ」は、「凄い動きや!動きでは勝てんから、しゃべくりで勝負しよ」と、なったそうです。 その後、東西を代表する二大コンビとなる訳ですが、この大須演芸場の出会いがなければ・・・と思うと、支配人の力って凄いと思います。 支配人自らリクエストされてのキャスティングなのかどうかはわかりませんが、もしそうだったとしたら、日本のお笑い史上凄いことをやった方なんですね。 そんな大須の支配人ですが、若手に対してはホントに優しい方でした。 我々が初舞台の10日間ずっと優しく舞台を見ていただいてました。 そして、確か7日位経った土曜の夜のことでした。 相方(今の洋七)が、急に大阪に帰りたいと言い出したのです。 「悪いけど、毎日こんな楽屋に寝泊まりしてて、寂しすぎるわ。俺、嫁のところに帰りたい。明日の朝には、必ず戻って来るから、俺今夜は大阪に帰るな」と、一人大阪に帰ってしまったのです。 昼間はお客さんの笑い声がこだまする寄席の小屋。 夜になり、誰もいなくなった小屋は不気味ですらあります。 楽屋でワイワイと夕飯を終えた後、ほとんどの芸人さんは旅館に帰ってしまいます。 人のけはいもない楽屋で、相方と二人で寝ていた毎日・・・。 相方は、それがたまらなかったのでしょう。 でも、私は正直違いました。 夜中に劇場の客席にポツンと一人座ってみたりしました。 でも、「寂しい」とか「不気味」とかは、いっさいなく、「ああ、ここで明日はどれだけのお客さんが来て漫才を見てもらえるのかなぁ」という希望で胸一杯だったんです。 初舞台を踏めている・・・そんな喜びの方が強かったのです。 その土曜の夜、相方も帰ってしまい、暗い楽屋に私一人。 楽屋にはTVすらありません。 私は、まだ10時頃というのに、布団を敷いて横になっていました。 「順ちゃん、今夜は一人なんだって?」 支配人が、楽屋を訪ねて来てくださいました。 「ハイ、もうすることないんで、早く寝ようかと思いまして」 「若いもんが、こんな時間から寝てどうすんの?今日は土曜の夜。どっかに遊びに行ったら?」と、言った後、支配人は悪いことでも言ってしまったかのような顔。 「そうか、そんな金、ないよね。ゴメンね」と。 「オ-ルナイトの映画、行こうか。そうしよう!」 支配人は、一人楽屋にポツンといる私を哀れと思ったのか、オ-ルナイトの映画に誘ってくださったのです。 支配人ご夫婦と、私の3人で賑やかな夜の名古屋の街に出かけて、その夜はオ-ルナイトの映画をおごっていただき、その後食事もご馳走になりました。 「君等は売れるよ!頑張りなさいよ!」 支配人ご夫婦が熱く私を励ましてくださいました。 そのオ-ルナイトの映画、何だったのかは忘れましたが、 私は映画を見ながら泣いてました。 別に涙が出るような映画でなかったことは確かです。 支配人ご夫婦の優しさに、私の涙腺が勝手に反応してしまっただけのことでした。 芸人をこんな風に熱い視線で見守って行く支配人という仕事。 人情味のある人でしかできない仕事なんでしょうね。 PR |
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