萩原芳樹のブログ
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日活のプロデュ-サ-は、ブツブツ言いながら、約百枚の原稿を一時間もかけて、破り続けました。
でも、一枚だけがテ-ブルの上に、破られず残されたままでした。
「この一枚だけ、笑えるのでもらっておくわ」と。
その一枚に私が書いていたのは、映画の本筋と全く関係ないシ-ン。
下着泥棒が、夜中にアパ-ト屋上の洗濯の物干し場に潜入して、
女性のパンツを盗むというシ-ンです。
盗んだ後、その場から立ち去ろうとするのですが、下着泥棒は
「悪いことをしたな」と、感じて、
自分のはいていたパンツを脱いで、物干しに干して立ち去るというシ-ンでした。
全くどうでもいいシ-ンのみOK・・・「これは余計バカにされている」と、私は重い足どりで打ち合わせの喫茶店をあとにしました。
一週間後には、ゼロから書き直した脚本を持って来る約束で、
すぐに帰って、新たな構想を練らないといけないところでしたが、
すぐ家に帰る気もしません。
どこかで、ヤケ酒でも呑みたい気持ちでしたが、そんな金もなし。
乃木坂から赤坂へと向かい、ちょうど吉本東京支社の前を通りがかったので、立ち寄ってみることにしました。
「ここでコ-ヒ-でもご馳走になって雑談すれば、気も晴れるかな」という思いで。
吉本東京支社の部屋に入ると、支社長さんが奥から手招きをして、
「萩原くん、この人、井筒和幸監督や。知ってるやろ」と。
井筒監督が、たまたま遊びに来られていたのです。
「そうそう。萩原くんは日活映画の脚本頼まれたとか言うてたな」と、支社長。
「ハイ、ちょうど今、脚本の一稿を持って行ったところなんですけど」と、私が力なく言うと、
「元気ないなぁ、どうやったんや?」と、井筒監督。
「ほとんどビリビリに破られて、一枚だけ残して『これだけ笑えるからもらっておくわ』言われたたんですわ」私が言うと、
「オマエ、凄い奴やなぁ」と、監督の言葉。
「例え1ペ-ジでも、日活のプロデュ-サ-に、笑えると言わしたのは凄い。笑える脚本なんか、そうそう書けるもんやない!オマエ、頑張れよ」
さすが井筒監督・・・なんというポジティブな方なのでしょうか。
このことを境に、私は少々のことではヘコまない作家に成長できました。
さて、お芝居に登場する「漫才作家」から話が随分それてしまいましたが、十銭家太一という漫才作家役の徳富啓太さんについて、お話することにしましょう。
徳富さんは、「トクトコ」という漫才コンビを組んでいて、今も多方面で活躍されています。
このコンビ、デビュ-当時はビジュアル系でかなり女の子に人気もあったのですが、今の二人はパソコン芸人のオ-ソリティです。
私がバソコンで何か困った時、まず真っ先にSOSの電話をするのが、このコンビ。
このホ-ムペ-ジも、徳富さんに作っていただきました。
「ホントに有り難う!感謝してます」
そんな徳富さんですが、私が以前シナリオ学校で、お笑い台本を生徒が書いて来たのを添削して行く授業に、いつも見学に来られていたことがありました。
「何故?」と、聞いたところ、
「自分だったら、こう言おうとするところを、先生はどう言うのか、それが楽しみで」と。
タレントさんなのですが、作家の気質を充分持っている人なんですね。
それに、人前では感情を見せようとせず、常に冷静な人・・・。
今回の「十銭家太一」という漫才作家そのものの人なんです。
この漫才作家の存在が、今回の「お茶子のブル-ス」の大きな核となります。
是非ご覧ください。
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