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萩原芳樹のブログ
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さて、「スリ-こいさんず」は、「さくら」と「初代すみれ」が大ゲンカをして、初代すみれは辞めてしまうのですが、昨日のブロクでも書きましたように、初代すみれは男クセが悪く、「汚れ芸人が」と、さくらに愚弄されてしまうのですが、もっと大きな要素として楽器の問題があったのです。

初代すみれは、音曲トリオとして楽器を手にしているのは当然と思っていたのですが、さくらは時代を先読みして、「これからはテンポの早いしゃべくり漫才の時代」になることを予期していたのです。
楽器を捨てることで二人の意見は対立してしまいます。

それに初代すみれは、どこか古い芸人臭い風貌だったのでしょう。さくらは、それも気に入らなかったのです。
「これからはTVの時代。TVではアカ抜けして、芸人臭さのないビジユアルが必要」だと。

これだけをご覧になると、さくらという女性は随分冷たい女だと思われるかも知れませんが、芸能界で生き残るには仕方のないことなのです。

実はこのエピソ-ド、あの「横山ノック」さんが「マンガトリオ」を結成される時のエピソ-ドを参考にさせていただいているのです。

横山ノックさんは、「秋田Oスケ Kスケ」というコンビを経て、「横山ノック アウト」になり、その後「漫画トリオ」を結成されます。
「ノック・フック・パンチ」のトリオで、パンチが上岡竜太郎さんであることは皆さんもご存じでしょう。
しかし、漫画トリオ結成時、実はパンチさん役は別の方でした。
ノックさんは、ビジュアル面でそのパンチさんに今一つ疑問があったのかも知れません。
「パンチはもっと洗練されたルックスとセンスが必要だ」と、あちこち物色されたようです。

そこで目に止まったのが、上岡さんだったそうです。
(この話は上岡さんの著書にもあります)
上岡さんは、当時ロカビリ-(今でいうとロックのような存在)の司会をされていました。
「ナンバ一番」というライブハウスで、後にあの「タイガ-ス」が「サニ-ズ」として出演していた戎橋にあった店。

そこにノックさんが突然現れて、上岡さんをスカウトされたそうです。
上岡さんは、漫才は素人でした。
しかし「俺に任せたら大丈夫」と、ノックさん。

そして、新生マンガトリオが誕生します。
ノックさんは時代を先読みされていました。
TV用にと、ニュ-スを題材にしたショ-トネタの積み重ねで「パンパカパ-ン!今週のハイライト」
これで、あっという間に漫画トリオは全国的にもその名を知られる人気者になります。

ノックさんはホントに凄い方でした。
ノックさんは、漫才で大きな発明もされた方。
それは何かと申しますと、「ドツキ漫才」です。
それまで漫才で「叩く」という行為は、扇子などで軽く叩く程度でしたが、ノックさんは「素手で頭を叩く」という荒技を考案されたのです。

勿論当時の客は、漫才師が素手で叩くという行為にビックリだったようですが、そこはネタとテンポの力で見事に笑いに結びつけられ、この「ドツキ漫才」が、お弟子さんである「横山やすし」さんに継承されて行きます。

そんな横山ノックさん・・・裁判の後、もっと世間に笑いをふりまくお姿を拝見したかったです。
ノック先生が、あの裁判後にもしTVに復帰できていたら、ガンなんかぶっ飛ばし、もっともっと長生きされていたかも・・・と、思ったらホントに残念で仕方ありません。

実は私の家のお隣りが「山田」さんです。そうなんです。ノック先生のお家の隣りに私は住んでおります。
(全く偶然なのですが)
毎日、お隣りの前を通るたびに、ノック先生のことを思い出してしまいます。

「お茶子のブル-ス」に登場する「スリ-こいさんず」の、杉岡みどり演ずる「さくら」には、
ノック先生の魂がどこかに入っております。
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