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萩原芳樹のブログ
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さてさて、作家に転向して3年の歳月が流れようとしていました。
仕事内容としては、「お笑い番組」と、「演歌番組」。それに相変わらず「ポルノ映画」の脚本を書き続ける毎日。

「ポルノ」は日活のモノですが、「ピンク映画」と呼ばれるジャンルがありました。
内容的には、ほぼ同じなのですが、今をときめく映画監督の巨匠達は、この頃の「ピンク映画」出身の方が実に多く、芸術性の高い作品も数多くありました。

私は「東活」というピンク映画の社長を紹介され、毎月一本書く約束を。
「日活」に比べて「東活」の脚本を書くのは楽しかったです。
まず、社長からテ-マを告げられて、一ヶ月後に脚本を持って行くと、社長は「面白い!」と、その場で現金を私にくれるのです。

「日活」の企画部に、あれこれ言われることに比べたら雲泥の差。
私は、自分の世界にのめり込んで脚本を書くことが出来て、しかも書き終わると、いきなり現金をいただけるのですから。
社長は、毎月私の脚本を読んだ後、デスクの引き出しから現金を出してくださり、「ご苦労様」と。

そんなことを毎月続けているうちに、私は自分の脚本の世界が、もっと見えて来るようになったのです。
肉体の力で、男と女がいかに変わって行くのか・・・これは非常に奥の深いモノだと感じました。
「東活」の社長には、今でも感謝しております。

さて、TVの仕事の方ですが、おかげさまで東京と大阪を行ったり来たりの忙しい日々になっていました。
新幹線の移動中でも原稿を。
演歌のナレ-ションは、新幹線の中で書くと筆も進みます。
曲をイヤホンで聞きながら、ナレ-ションを書いて行く訳ですが、新幹線から見る風景が、実に演歌にピッタリはまってしまうからです。

そんな時、「名古屋テレビ」さんから、新番組の企画の依頼がありました。
「名古屋で、今までになかった斬新な深夜番組を作りたい」とのこと。
名古屋の方々は、私を大切なお客として、随分接待もしてくださいました。

私は、その接待に甘えて、名古屋に到着すると、「とりあえず、どこで御飯食べますか?」と、毎回名古屋の夜を飲み歩く日々に。

勿論、番組企画の話はするのですが、私は一からスタ-トする番組だったので、夢と希望だらけ。
話する内容は、現実からほど遠いことの夢物語ばかりです。

さすがに、名古屋のプロデュ-サ-も、しびれを切らしたのか、我が家に手紙が届きました。
「連日、打ち合わせと称して飲み歩いてばかりですが、つまり萩原さんのやりたい番組とは、こういう内容なのでしょうか?」
と、私が飲んでは勝手に喋っていたことを見事にまとめた企画書を送って来られたのです。

「失礼なことをしていたな」と、少し反省をしてしまいました。
番組企画書を作成するのは、私の仕事だからです。

こうして、名古屋で私なりの独創的な番組をスタ-トすることとなりました。
「オジャマンないと」という番組です。

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