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萩原芳樹のブログ
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連日のキャバレ-のステ-ジは正直テンションが下がっていました。

夕方アパ-トを後にして、ラッシュの電車でキャバレ-へ。
ショ-タイムは、8時と10時頃の二回。
バンドと打ち合わせをして、同じネタをこなすだけ。

「エア-山本リンダ」に関しては、さすがにどこでも爆笑を取れましたが、しゃべくりネタが今一つの結果。

しかし、東京と一口に言っても、その地域性に少し驚いていました。
というのも、関西弁の私のしゃべりを支持してもらったのは、意外や「江戸っ子」と、呼ばれる東京下町。
「山の手」と呼ばれる地域では、「何だ、大阪の芸人か」と、しゃべり始めた瞬間から、小バカにされてしまうのです。

「山の手」と呼ばれる地域は、地方から出て来た人の集まり。
それに対して、下町は古くから東京に住んでいる人達。
つまり、「山の手」と言いつつ田舎者の集まりは、芸を正面から見ることができない奴の集まりだと思ったのです。

TVで「これが流行」と騒がれれば、それを並んででも買いに行く。
自分で価値判断ができない奴ばかりということに気がつきました。

それに反して「下町」の人達は、大阪と同様に、人に優しかったのです。

まぁ、そんなことがわかっただけでも収穫としておきましょうか。

そんなキャバレ-まわりのある日。
確か「赤羽のキャバレ-」でのことでした。

私のような売れていないショ-芸人は、特に楽屋という控え室が用意されてなく、ホステスさんのロッカ-ル-ムを共同で使わせてもらう場合が多かったです。

その日も、ホステスさんが着替える横で、私も舞台衣装に着替えて、ステ-ジに上がりました。
財布は衣装のポケットに入れて舞台に上がっていたのですが、タバコとライタ-は、そこに置いたまま。

すると、舞台を終えて戻ってみると、なくなっていたのです。
普通ライタ-を盗むのが順当だと思います。
カルチェ等の高級ライタ-ではなかったのですが、5千円程するライタ-です。
でも、そのライタ-は、そのまま。
盗まれていたのは、私のタバコ。セブンスタ-でした。
それも、確か20本入りほとんど入っていた筈の箱が、残り数本になっていたのです。

被害はタバコ15本程度。
実にくだらない話のようですが、私はそのタバコをそっと盗んだホステスさんの生活を考えてしまいました。

母子家庭で、子供を託児所に預けて、ホステスとして嫌な酔っぱらい相手をしてるかも知れません。
好きなタバコも、生活の為にきりつめていたのかも知れません。
目の前に、タバコがある・・・誰も見ていない・・・。

私は、勝手にそんな想像をしてしまいました。
せつなすぎます。
高いライタ-に目もくれず、タバコのケ-スから何本か抜き取ったホステスさんの気持ちを考えてしまうと・・・。

その日から、キャバレ-まわりのステ-ジ。酔っぱらい相手に芸をしていく訳ではなく、ホステスさんに喜んでもらえるような芸をやろうという気持ちになりました。

キャバレ-の仕事って、いろんな人生を感じたりしてしまいます。
キャバレ-まわり時代の話、まだまだ続けます。
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