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萩原芳樹のブログ
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茨城県潮来の「女の城」というキャバレ-。
周囲は見渡す限りの田園地帯。
そんな中にポツリとある、三階建ての小さなビルでした。

「キャバレ-は閉められたのですか?」と、私が聞くと、
「そうです」と、生活に疲れたような50歳位の案内してくださった女性が。
「代わりに、2階のコンパでショ-をやっていただきます」と。

どうやら1階のキャバレ-は閉めた様子ですが、2階にある「コンパ」(今でいうラウンジのようなものです)で、ショ-をするとのこと。

「とりあえず楽屋に案内しますから」と、通された場所は・・・。
驚きました。8畳程度の小汚いスペ-スに、ロッカ-が5~6個あり、その隅に、畳が二畳だけ敷いてあるのです。
「ここが楽屋です。ごゆっくりと。今マネ-ジャ-を呼んで来ますから」

とりあえず靴を脱いで、二畳程の畳の上にヘタり込み、私は思わずため息を。
小窓が一つありました。
が、網戸が破れていて、いつでも蚊が進入できる状態になっています。
勿論ク-ラ-や扇風機などある筈ないです。
そして、隅には何ヶ月前のかわからないボロボロのマンガ本が積み上げてありました。

暫くして、マネ-ジャ-という若い男性が現れました。
「あのぉ、楽屋で泊まるということは、ここで?」と、私が聞くと、
「そうです!布団はそこの押し入れに入ってますので」と。
ヘコみました。でも、気分も変えて、
「ショ-タイムは何時ですか?」と、聞くと、
「決まってないです」と。
「決まってないって?」
「お客さんが一番多い時間を見計らって、2回行いますので」と。
「そうですか・・・わかりました。で、バンド編成の件ですが」と、譜面を出そうとすると、
「バンドはやめていません。バンドなしでもやってもらえると聞いていたのですが」と。
「別にバンドなしでもいいですが・・・」
本当にえらい所に来てしまったなぁと思いつつ、
「すみません。何か出前を取りたいのですが」と、私が言うと、
「ショ-のタレントさんは、一日一食と決まっているのです。今食べたら、もう夜まで何も食べられませんが、よろしいですか?」と。
(一日一食?動物でも二食はもらえるやろ・・・ひどすぎる)
「自腹だといいのでしょ?自分で払いますから」と、言うと、
「それなら結構です。今出前メニュ-を持って来ますから」と。

結局、出前の丼でとりあえず空腹を満たした私は、TVすらもない楽屋と称するスペ-スで待ち続けるしかありません。

ところが、夜7時になっても、8時になっても、何の連絡もなし。
時計は九時を越えてしまいました。
「いったい、どないなってるねん!」
イライラした私は、ショ-をやる予定の2階のコンパをそっと覗いてみました。
すると、そこには恐ろしい光景が待っていたのです。

また続きを。
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