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萩原芳樹のブログ
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洋服屋をやっていると、「寸法直し」というのがあります。
パンツの裾直しやら、ジャケットの袖丈を内職のオバサンに依頼していました。

ところがある日のこと、いつものように寸法直しの服をオバサンの家まで持って行くと、
「最近は暇やわぁ。私等内職の洋裁で生活している者は、どんどん仕事がほしいのに、最近は随分減ったて皆言うてますねん」と、嘆きの言葉。

「寸法直しの注文を取って来たら、お仲間みんなでやってもらえますか?」
「そらもう喜んで」

そんな訳で、私は店とは別にリフォ-ムの仕事を始めたのです。
その時代、まだ「リフォ-ム」という業種はなく、勿論「リフォ-ム」という言葉もありませんでした。
(ひょっとして、東京辺りでは始まっていたかも知れませんが、姫路ではなかったです)

私は店の裏の事務所の電話番号を「リサイクルウェア-姫路」と名付けて商売を始めることに。

宣伝費をかけたくないので、安いチラシ広告を作り、自分で団地なんかのポストに入れる作業をしました。
(店はその頃、従業員の女の子に任せていました)

暫くすると、予想以上の反響がありました。
「主人が太ってしまって、礼服を買わなアカンと思うてたんやけど、こんなん助かるわ」と、一軒につき、何着もの直し注文があり、細かいながらも着実に収入となりました。

でも、暫くしてその商売も辞めることに。
理由は面倒臭かっただけのこと。
誰か専任の従業員を雇えば済む話でしたが、そんなことをしたら、設けもなくなります。
一人でビラを配って、注文が来た家に上がり込んでは、数万円の仕事。
やはり私は、先輩の言葉のように「地味な商売」が苦手だったのです。

店を女の子に任せて、よく昼間から映画を観ていました。
「シナリオ」「ドラマ」という雑誌があります。
映画シナリオや、TVドラマの脚本が掲載されている雑誌です。
映画好きの私は、一度映画を観た後、その雑誌を買っては、脚本を読むのが楽しみでした。

すると、その雑誌に「シナリオ募集」の告知が。
見れば「優勝賞金1000万円」とか「500万円」とか。

私は「これだ!」と、思いました。
原価は原稿用紙のみ。もし優勝すれば大金が手に入る。

こうして私は、脚本の勉強を始めました。
脚本は中学生の頃から、遊び半分で書いたりしていましたが、シナリオの書き方の基本を教えてくれる東京の学校の通信教育を受けることに。

そして、通信教育を始めてからすぐに最初の作品を書いて応募したのです。
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