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萩原芳樹のブログ
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上京して一年余り。
最初のうちは「エア-山本リンダ」等の動きネタで何とかこなしていましたが、司会者としての私は壁にぶつかっていました。

それは「司会者としての喋りの基本」が全くできていないということ。
仕方ないです。漫才では、舞台上で真顔になって喋ることといえば、「暑くなりましたねぇ・・・」等のネタフリと呼ばれる喋りしか経験がなかったのですから。

先輩司会者の方に、こんなアドバイスを受けたことがありました。
「君の喋りね、漫談やってる時はいいけど、曲紹介になってガラリと雰囲気を変えることができていないんだよ」と。
「司会者たるもの、『さて・・』のひと言で会場の空気をガラリを変えなくてはいけない」
つまり、私の喋りには「メリハリ」が欠けているということです。

私は、誰か上手な方の「完全コピ-」をしてみることにしました。
そこで、私が「この人」と決めたのが、桂三枝さんの喋りでした。
当時「パンチDEデ-ト」が東京でも放送されていたので、毎週録音をして、電車の中でもイヤホ-ンで常に聴くよう心がけました。

そんなことを繰り返すうちに、不思議なものです。
司会の舞台で以前よりも遥かにウケるようになって来たのです。

それまでの私の司会は、ピン芸の歌ネタや漫談と、曲紹介程度でしたが、ウケるからという理由で、ゲ-ムコ-ナ-を設けてもらったり、客との絡みコ-ナ-を作っていただいたりして、出番も増えたのです。

そして、こんなことをある日言われました。
「団ちゃんの司会、いいねぇ。三枝さんの喋りにそっくりだけど、お弟子さんだったの?」と。

「ダメだ、こりゃ。コピ-がバレてる」
いくらウケても、コピ-程度ではプロ失格です。
「もっと個性的な司会者になろう」
そう思った私は、自分独自のスタイルをまたまた考える訳ですが、これが司会者としてはやってはならない方向性に向かってしまったのでありました。
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